◆明治安田生命J1リーグ▽第32節 浦和2―1鳥栖(8日・埼玉)
浦和MF小泉佳穂が今季3ゴール目を決め、公式戦6試合ぶりの白星に導いた。
最後まで1人で決めきった。1―0の後半5分、小泉が敵陣で猛烈プレスをかけて鳥栖DF原田亘の縦パスをカットし、そのままドリブルでペナルティーエリア左へ進入。左足でグラウンダーのシュートを放ち、ゴール右隅へ追加点を突き刺した。
リーグ戦で約2か月ぶりの今季3ゴール目。そのままゴール裏サポーターへ雄たけびをあげ、ゴール裏に背中を向けてユニホームの背番号8を両手で指して見せた。「何が何でも結果を残してチームを勝たせてやろうという気持ちが、あのシュートを思いきり打ったこと、ゴール後にも出ていた」と喜びをにじませた。
◆小泉に聞く。
―公式戦6試合ぶりに勝利した。
「ルヴァン杯で(0―4で)負けて、広島に4点取られて負けて、すごくしんどい一週間だった。こういうときに何ができるか。リバウンドメンタリティーを持ったメンバーで戦えた。楽な展開ではなかったけど、そこも織り込み済みで、粘り強く戦えたことが勝因だと思う」
―前半、相手の背後を突く速い攻撃ができたのでは。
「リカルド(ロドリゲス)監督のサッカーはポゼッション、ポジショナルプレーと言うけど、チーム全体で組織として意図を統一して戦うことが一番の強みだし、根幹にある。それを再確認して試合に臨んだ。相手がハイプレスでくるのは分かっていたので、相手が嫌がるのは背後のスペースを狙い続けること。相手に握られてもしっかり堅くできれば失点しない。そこの意思統一をして、岩尾選手、岩波選手、西川選手のセンターラインを中心に堅く守れた。こういう試合ができれば勝ち点が拾えるという勝ち方ができた」
―ハイプレスでボールを奪ってゴールを決めた。
「アウェーの磐田戦(8月13日、6〇0)も似たような形でボールを奪った。ここ2年くらいは前線の守備は意識していて、その結果が今年2つ出た。前線からの守備は強みになってきた感触がある。プラス、今年はゴール前に入る、シュートを打ち切る、結果を残すことももっと求めたいと思っていた。まだリーグは3点だけど、自分としては一歩成長できた。ああいう形を増やしていきたい」
―得点後はゴール裏に向かって雄たけびをあげた。
「今週1週間は本当にしんどかった。サッカーは派手なプレーが目立つし、足が速い人、球際で闘う選手がフィーチャーされがちなスポーツだし、細かいところで闘っていることはなかなか理解してもらえないという葛藤もある。でも、毎試合、全力でチームの勝利のために闘ってきた自負があるし、何が何でも勝ってやろう、何が何でも結果を残してチームを勝たせてやろうという気持ちが、あのシュートを思いきり打ったということ、ゴール後にも出ていたと思う」