【広島】新井貴浩氏の新監督就任が決定的 近日中に発表 4年連続Bクラスの古巣再建へ統率力期待

スポーツ報知
広島の新監督就任が決定的となった新井貴浩氏

 広島の新監督に球団OBの新井貴浩氏(45)が就任することが6日、決定的となった。この日までに水面下で就任要請を受け、同氏も受諾の意思を固めた。佐々岡真司監督(55)がシーズン最終戦の2日の中日戦(マツダ)後のセレモニーで、就任3年連続Bクラスの責任を取る形で辞任を表明。球団は早急に新監督人事に取りかかり、OBを軸に選定を急いでいた。近日中に正式発表される。

 4年連続Bクラスに沈んだチームの再建は、16~18年のリーグ3連覇の精神的支柱となった新井氏に託されることになった。

 球団幹部は、新監督に求める資質を「勝てばいいわけではない。1軍で戦うだけじゃなく、2軍の育成も理解して指導できる人がいい」とし、コーチ経験は問わない姿勢を示していた。最も重視していたのは「統率力」。紆余(うよ)曲折の野球人生とともに、08年からは労組プロ野球選手会会長も務めるなど豊富な経験を持つ新井氏は最適な存在といえる。

 新井氏は2005年に本塁打王に輝くなど当時の広島の顔だった。だが、07年オフに「優勝争いがしたい」とFA権を行使して阪神に移籍。古巣の球場で打席に立つと、ブーイングを浴びた時期もあった。その後、出場機会が減少した14年オフに自由契約を申し入れて復帰。25年ぶりのリーグVを決めた16年には通算2000安打を達成し、MVPを受賞。再び広島の顔となり、飾らない人柄で地元から愛され、将来の監督就任を待望する声は強かった。

 今季、チームは米カブスに移籍した鈴木誠也の穴を埋めることができず、打線はリーグ4位の91本塁打、球団歴代最少の26盗塁と破壊力と機動力を欠いた。投手陣も前半戦は救援陣が不安定で、好調だった先発陣も終盤に失速。142試合目までCS進出争いを繰り広げたとはいえ、優勝争いからも早々と離脱し、5位に終わった。低迷するチームを変えることができるのは、圧倒的なリーダーの存在。新井氏に求められるのは5年ぶりのAクラスではなく、覇権奪回だ。

 ◆新井 貴浩(あらい・たかひろ)1977年1月30日、広島県生まれ。45歳。広島工から駒大に進み、98年ドラフト6位で広島入団。2006年WBC日本代表。07年オフにFAで阪神移籍。08年北京五輪野球日本代表。15年に広島復帰。16年に通算2000安打を達成し、25年ぶりのリーグ優勝に貢献してMVP受賞。本塁打王(05年)、打点王(11年)を各1度。18年限りで引退。

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