村上春樹さん、今年もノーベル文学賞ならず…06年から最有力候補と国内外で取りざたされる

村上春樹さん
村上春樹さん

 スウェーデン・アカデミーは6日午後1時(日本時間同午後8時)、2022年のノーベル文学賞を発表し、日本の作家・村上春樹さんは今年も受賞を逃した。受賞したのはフランスの女性作家・アニー・エルノーさん。

 村上さんは今年6月、フランスの「チノ・デルドゥカ世界文学賞」の受賞者に選ばれた。その際、審査員長は「きっとノーベル文学賞を受賞するが、この賞でも称賛しないわけにはいかない」とたたえていたが、今年も名前がなかった。

 受賞の最有力候補として名が上がり続けている。06年、ノーベル文学賞の登竜門的な性格を持つフランツ・カフカ賞を受賞して以降、村上さんの受賞は国内外で取り沙汰され続けてきた。英ブックメーカーでは毎年有力候補に挙げられ、昨年は「ラドブロークス」の前日予想で単独首位の5倍と本命視されていたが名前はなかった。

 村上さん自身はノーベル賞をはじめ文学賞への意欲を語ったことは一度もない。毎年、名前が挙がることについて、著作の中で「正直なところ、わりに迷惑です」とつづっている。「だって正式な最終候補になっているわけじゃなくて、ただ民間のブックメーカーが賭け率を決めているだけですからね。競馬じゃあるまいし」と否定的な見解を示し、「脳減る賞」との村上流ジョークで断じている。

 また村上さんは「公の場に登場しない」「メディア取材に応じない」とされるが、最近は露出が増えてきた。18年からFM TOKYOで「村上RADIO」(毎月最終日曜・午後7時)で自らがディレクターとなりテーマに合わせて選曲し、語っている。

 日本人のノーベル文学賞は「雪国」などの作品で知られる文豪・川端康成が日本人初のノーベル文学賞作家となったのが1968年。「飼育」などの著作が有名な大江健三郎さんが日本人2人目の栄冠に輝いたのは94年。日本人3人目の最有力候補として村上さんの名前が挙がっている。

 ◆ノーベル文学賞 スウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベルの遺言に基づき1901年に始まったノーベル賞の一部門。スウェーデン・アカデミーが各国の大学教授や過去の受賞者らから推薦を受け最終候補を原則5人に絞る。候補者名は50年間非公開。

 ◆村上春樹(むらかみ・はるき)1949年1月12日、京都市生まれ。73歳。75年、早大第一文学部演劇学科卒。79年「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。代表作に「ノルウェイの森」「ねじまき鳥クロニクル」「1Q84」など。受賞歴に谷崎潤一郎賞、読売文学賞、フランツ・カフカ賞、エルサレム賞など。趣味は音楽鑑賞とランニング。家族は陽子夫人。

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