【明日の金ロー】多様性への寛容をうたい、時代を先取りしている「アダムス・ファミリー2」

スポーツ報知
前作以上に”活躍”するシーンが満載のウェンズデー(左)とピューバートTM,(R)&(C)2022 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

 7日の金曜ロードショー(後9時)は、先週放送作品の続編「アダムス・ファミリー2」(1993年)。続編という形にはなっているが、ストーリー的にはつながっていない(脇のキャラクターの位置づけが一部分からないところがあるかもしれないが…)ので、先週の放送を見逃していても安心して見ることができる。

 物語は、一家に新メンバーが増えたところからスタートする。ゴメズとモーティシアの夫婦に赤ちゃんのピューバートが誕生。両親を取られた気分のウェンズデーとパグズリーは面白くなく、古い迷信を信じてピューバートを排除しようとする。そんなある日、ベビーシッターとしてデビーが雇われる。妖艶な彼女に、一家と同居するゴメズの兄・フェスターは一目ぼれ。だが彼女は、一家に取り入ることで、「ある計画」をひそかに進めていた―。

 物語の序盤、生後間もないピューバートに対し、あの手この手で”処分”をもくろむ2人の子供たちのふるまいは、ショートコントの連発のようで、正直「?」と思う視聴者もしれない。ただ、実はこれが後半への伏線となっている。最後まで見れば「なるほど!」と納得できるはずだ。

 コメディー作品でありながら、前作以上に多様性への寛容を感じさせるシーンが登場するところも興味深い。まだ、「インクルーシブ」などという言葉を世の中で聞くことができなかった約30年前の作品にもかかわらず「みんな違って、みんないい」というメッセージが込められている。公開当時に見た時には正直、何も感じなかったが、この時代に改めて見るからこそ、理解できる部分があった。もっとも、この一家こそが多様性の極致なのかもしれないが…。

 などと難しい話はさておき、記者が思う本作一番の見どころは、パート1では見られなかったウェンズデーの表情にほかならない。蒼白(そうはく)で能面のような表情で、不気味な言葉をサラリと口にする彼女もいいが、パグズリーと共に出掛けたサマーキャンプでの姿にはいとおしさを感じるのではないだろうか。

 演じたのはクリスティーナ・リッチ。本作から5年後の98年に公開されたヴィンセント・ギャロが監督・脚本・音楽・主演を務めた「バッファロー’66」を見た時には「あのウェンズデーが!」と驚いたものだった。

 ちなみに、「アダムス・ファミリー」は2014年と17年に日本でミュージカルとして上演されているが、その時にウェンズデーを演じたのは、「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」などにも出演しているミュージカル女優の昆夏美。ピッタリでした。(高柳 哲人)

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