女子サッカー 静岡県選抜が初代女王に王手、後半にFW木村未来が勝ち越しゴール

スポーツ報知
後半7分、勝ち越しゴールを奪ってバンザイするFW木村(背番号10)にMF松尾(左)が駆け寄る(カメラ・里見 祐司)

◆栃木国体 サッカー▽少年女子準決勝 静岡3-2埼玉(5日、矢板運動公園陸上競技場)

 サッカー少年女子静岡県選抜が準決勝で埼玉に3―2で競り勝ち、「初代女王」に王手をかけた。県選抜はFW松浦芽育子(常葉大橘中3年)の3戦連続ゴールなどで序盤に2点をリード。その後に同点を許したが、後半7分にFW木村未来(みき、JFAアカデミー福島)がゴールを奪った。6日の決勝では東京と対戦する。

 狙い通りの守備が強敵を打ち破った。前半32分にピッチに立った木村が、後半開始の笛と同時に激しくボールを追う。そして7分、埼玉DFがGKからパスを受けたところにチャージ。「右利きだから右足で大きく蹴りに行く」と足を伸ばして奪い取ると、勝ち越しゴールを冷静に決めた。

 前半10分にセットプレーから先制。2分後にはFW松浦が追加点を奪うなど、優勢に試合を進めていた。しかし前半30分に1点を失うと、終了間際に同点ゴールを決められ、イレブンに動揺が広がった。それだけに大きな1点。「同点にされて焦りました。前半は何もできなかったので、やってやろうと思ってました」。松浦と並ぶチームトップタイ(3得点)の頼もしいストライカーは振り返った。

 快進撃を支えるのはチームの仲の良さだ。JFA福島、藤枝順心高、常葉大橘高などの連合チーム。全員で集まる回数も少なかった。だが、お互いにコミュニケーションを取り合い、プレーの特徴を確認し合ってきた。

 明るさも強さの秘密。今大会中、全員で行う毎朝の散歩では「一発芸」が日課になっていて、全員で盛り上がっている。6日は木村やMF樋口梨花主将(JFA福島)が指名されており、「何をやろうか考えています」と樋口は苦笑した。

 目標の「初代女王」まであと1勝。このメンバーで戦う最後の試合でもある。「全員が笑顔で終われるように」と樋口。木村も「厳しい試合になると思うけれど、点を取って勝ちたい」と気を引き締めた。(里見祐司)

 〇…先制点はセンターバックの名木野桃嘉(JFA福島)だ。樋口主将のCKが直接決まったように見えたが、GKの頭上を越えてポストを直撃し、名木野の足に当たっていた。その後もドリブルで猛然と攻め上がるなど攻撃的な姿勢を崩さず、「味方がカバーしてくれるので安心して行けました」。弦間結月(藤枝順心高1年)とコンビを組む163センチの守備の要は「気持ちを強く持って守り抜く」と決勝戦を見据えた。

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