◆東都大学野球秋季リーグ戦第4週第1日▽中大3―1青学大(5日・神宮)
3位の中大が6連勝中だった首位の青学大に先勝した。最速155キロのエース・西舘勇陽投手(3年)が8回まで無安打投球。3安打1失点1死球でリーグ戦初完投勝利を挙げた。今秋ドラフト候補の森下翔太中堅手(4年)は、中日の立浪監督が視察する中、3打数1安打1打点。亜大―駒大、国学院大―日大は6日に順延された。
雨中の熱投が勝利を呼び込んだ。西舘はこの日最速154キロの直球に変化球を織り交ぜ、8回まで無安打投球。3安打1失点でリーグ戦初の完投勝利をマークした。
冷たい雨にも屈しなかった。ボールが滑りスパイクが重くなったが、歩幅を6歩半から半歩狭めて対応した。9回には3連打を浴びて失点。なお2死二、三塁と一打同点のピンチを背負ったが、「最後の打者は気持ちで抑えよう」と遊飛に打ち取り、エースの意地を見せた。
岩手出身の右腕は、地元のヒーロー菊池雄星(ブルージェイズ)と大谷翔平(エンゼルス)に憧れ、花巻東に進学。同じグラウンドで腕を磨いた。視察した巨人・円谷スカウトは「スピードも出ていて、しっかりピッチングができていた。コントロールもよく、安定していた」と高評価。憧れの先輩と同じ舞台に立つために。来秋ドラフトへ十分なアピールとなった。(内藤 菜月)
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◆西舘 勇陽(にしだて・ゆうひ)2002年3月11日、岩手県生まれ。一戸南小3年から野球を始め、一戸中では軟式野球部。中2時に全国大会出場。花巻東では1年夏からベンチ入りし、2年春夏、3年夏に甲子園出場。中大では1年秋にリーグ戦初登板。今春2勝2敗、今秋は4勝1敗。最速155キロ。183センチ、79キロ。右投右打