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【ヒルマニア】ジャッジ、ア・リーグ新62号で大谷翔平とのMVP争いに終止符か…WAR10・7は最近20年間でトップタイ

スポーツ報知
1回無死、左越え62号を放つジャッジ(ロイター)

◆米大リーグ レンジャーズ3―2ヤンキース=第2試合=(4日・アーリントン=グローブライフ・フィールド)

 ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)が4日(日本時間5日)、敵地のレンジャーズ戦で6試合ぶりとなる62号ソロを放ち、1961年ロジャー・マリス外野手(ヤンキース)のア・リーグ記録61本を、61年ぶりに更新した。上位延べ6人の記録は薬物禍時代の記録だとして、米国内では今回のジャッジの62本こそ“真の本塁打記録”として評価が急上昇。大谷翔平投手とのMVP争いもメジャー担当44年目のヒルマニアこと蛭間豊章記者は終止符を打った、とみている。

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 マリスの長男マリスJr.が「62本打ったら彼(ジャッジ)こそがシーズンの最多本塁打記録者だ」と発言したことがクローズアップされている。実際、ジャッジの上をいくナ・リーグ勢のボンズ、マグワイア、ソーサの記録はドーピング検査や罰則が確立される前で「ステロイド(筋肉増強剤)時代」とも呼ばれる1990年代後半から2000年代前半のもの。多くのファンが、これまでマリスの記録こそが“真の本塁打記録”といっていたからだ。もっとも、ジャッジはマリス家のメッセージに感謝しているものの、ボンズの記録は有効と先輩打者に敬意を払っているが。

 3冠王はアラエス(ツインズ)に打率で4厘差をつけられており、最終日の1試合だけでは、ライバルが現状維持なら4打数4安打しなければ抜けないだけに厳しい。それでも別表のように打撃3部門で本塁打、打点でトップ、打率も2位という3冠王に近い数字は60本以上打った打者は初めて。また、本塁打で2位に23本差と突出度は群を抜いている。

 エンゼルス・大谷翔平投手の投手部門での急成長に加え、より厳しさを増した中での34本塁打、95打点をマークしているパワーを評価しているものの、ジャッジがア・リーグ新記録を作ったという歴史的偉業の前に「ジャッジのMVP」はより確実になってきたというのが現地の大半の論調になってきたようだ。

 近年、選手の成績から総合的に評価して貢献度を表す指標として重要視されているWAR(Wins Above Replacement)で、記録サイトのベースボールリファレンスによれば、ジャッジの10・7は最近20年間ではトップタイ(大谷は昨年9・0、今季9・5)と驚異の数字。大谷にとって今季は相手が悪かったとしかいいようがないシーズンになった。(ベースボールアナリスト・蛭間豊章)

 ◆WARとは メジャー最低レベルの選手と比較してどれだけ多くの勝利に貢献したことを示す指標。レギュラーは3・0、オールスター級は5・0、8・0を超えるとMVP級といわれている。

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