【楽天】貯金18からの急失速、勝てない先発陣・勢い乗れない金曜日・・・担当記者が振り返る「投手編」

スポーツ報知
10月2日、オリックスとの今季最終戦で5回に逆転適時打を浴びた楽天・田中将

 楽天はレギュラーシーズンを69勝71敗3分けの4位で終えた。春先には11連勝を飾るなど貯金は最大18あったが、その後は急失速し9年連続のV逸。スポーツ報知では、楽天担当の長井毅記者が「投手編」と「野手編」の2回に分けて今季の戦いぶりを「振り返る」。

 今季の先発陣の不調を象徴するようなラストゲームだった。2日のオリックス戦(楽天生命)。味方が4回に2点を先制し、迎えた直後の5回表。田中将が突如として崩れた。連打と四球で無死満塁のピンチを招くと、連打であっという間に逆転された。昨季の十八番(おはこ)だった「先行逃げ切り」が崩れる光景を最後まで見る羽目になった。試合後、オリックスの連覇が決まり、ナインは胴上げの様子をぼう然と眺めた。「今日の登板も今年を象徴するかのような、1イニングにまとめて点を取られてという失敗をして終わってしまった」。試合後に残したかつてのエースの言葉が全てだった。

 春先の首位独走から一転し、急失速したシーズンだった。2年ぶりのBクラスが決まった9月29日のソフトバンク戦(楽天生命)の試合後。今季の敗因分析を求められた石井監督は冷静な口調で応えた。

 「先発投手陣の整備が6月以降は難しかった」

 4月を終えて16勝6敗1分けの貯金10と順調な滑り出しを見せた。球団新の11連勝を飾り、貯金は最大18まで膨れ上がった。周囲は過去のデータに基づき「優勝は間違いなし」と色めき立ったが、徐々に貯金を吐き出していった。

 大型連勝が終わった5月11日のロッテ戦(楽天生命)以降、風向きが変わった。先発が序盤に失点することで流れが悪くなり、リードを許したまま押し切られるケースが相次いだ。野手が序盤に得点すれば、中盤以降に救援陣が打たれて逆転負けを喫する―。投打がかみ合わない“負のスパイラル”にはまった。5月にはブセニッツが右足を骨折し、涌井が右手中指を骨折するなど好調だった2人の離脱が決定打となり、6月24日には首位陥落。暗雲が垂れ込めた。

 夏場以降、大型連勝ができなかった主な原因はカード頭で勝ち切れなかったことにある。7月以降初戦を任されていた則本が5連敗を喫するなど波に乗れない状況が続いた。ネットニュースには毎週“ブラック・フライデー”の見出しが躍ったように、今季の金曜日は19連敗と“呪縛”は解けなかった。

 8月13日の西武戦(楽天生命)では、田中将が1点リードの4回に逆転を許し、ついに貯金が底を突いた。最大貯金18から0は1948年に阪神が記録した17から0を塗り替えて史上初の屈辱だった。

 開幕ローテの中で唯一貯金がつくれたのは則本(10勝8敗)のみ。岸(8勝10敗)、田中将(9勝12敗)、オープン戦で結果を出し、初めてローテのイスをつかんだ高田孝も2試合(0勝0敗)で大半が2軍暮らしとなった。昨季10勝を挙げて飛躍が期待された滝中は2勝9敗と大きく負け越し、指揮官が「2ケタは勝ってほしい」と白星を見込んでいた早川が5勝(9敗)止まりと“2年目のジンクス”は打ち破れなかった。この6人が抱えた借金は14に上った。

 救援陣にも誤算はあった。昨季の「勝利の方程式」だった酒居は開幕前に右太ももに故障を抱えて出遅れた。安楽は勝ち星こそ6勝を挙げたが、先発の白星を消すシーンも多く防御率は4・38と本来の安定感を欠いた。

 数多く残った課題の中で4勝、30ホールドをマークした西口の台頭と、デビューから22戦連続無失点の日本タイ記録を達成した育成ドラフト1位の宮森の急成長が光明だった。

 昨季12球団1位(2・75)だったチーム防御率はパ・リーグワーストとなる3・47にまで落ち込んだ。10年ぶりのリーグ制覇を目指す23年シーズンは、高齢化が進む先発陣に“新風”を入れることが必須条件となるだろう。石井監督は今オフから世代交代を推し進める方針を打ち出した。まずは投手陣の再建からV奪回への道のりが始まる。(楽天担当・長井 毅)

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