【番記者の視点】7か月ぶり復帰のG大阪FW宇佐美貴史、J1残留の“救世主”となりえるか

スポーツ報知
G大阪・宇佐美貴史

◆明治安田生命J1リーグ第31節 G大阪0―0柏(1日、ノエスタ)

 G大阪はFW宇佐美貴史(30)が右アキレス腱の断裂から約7か月振りに復帰した試合で、柏とスコアレスドローに終わった。声出し応援が一部で解禁となり、スタジアムには試合前からチーム、中でも宇佐美への大歓声が響いた。声援の後押しを背に選手たちは走り抜いたが、何よりほしい勝ち点3をつかむことはできなかった。

 2トップの一角で先発した宇佐美は、前半から中盤まで下がってボールを受け、攻撃の起点に。抜群のキープ力に加え、2列目のMF食野やアラーノと流動的にポジションを動かし、チャンスを演出した。前半27分には食野がレアンドロ・ペレイラに当て、その落としを右足で狙うなど、フィニッシュにも絡んだ。後半が進むにつれて運動量が落ち、同28分に交代。しかし技術、試合勘ともに久々の試合とは思えないプレーをみせた宇佐美を、松田監督も「選手としてのクオリティーの高さで、ボールを引き出し、収め、攻撃を活性化してくれた。その期待には応えてくれた」と評した。

 それでもゴールは遠かった。宇佐美は「少し不安はありましたけど、やっていくうちにどんどん感覚はつかめた。ファイナルサード(ピッチを横に3分割したうちの相手ゴール前の地域)に入っていけない形になった時、自分がどうするのか、もう少しできたと思う。コンディションはけがした箇所とかをしっかりケアしていけば、これから上がっていくだけだと思う」と語り、悔しさもにじませた。

 簡単にボールを失わない宇佐美の存在は、特に前半はボール保持の安定感を生んだ。一方でクロスに飛び込むなどゴール前の迫力は少なく、攻守の鋭い切り替えで、敵陣でボールを奪い返してショートカウンターを打つ回数も少なかった。また宇佐美が交代後、高さ&パワーというまったく違った持ち味を持つFWパトリックを生かした攻撃に、スムーズに移行できないという課題も見られた。

 宇佐美は「結果が出なければ、もちろん矢面に立つ覚悟はある。自分の中でもまだまだできると思う。(声援には)感謝しかないし、何としても結果で返したい。こういう気持ちにさせてもらった感謝を、クラブをJ1に残すことで示すしかない」と覚悟をにじませた。しかし、大けがから7か月ぶりに復帰した宇佐美に、すべてを背負わせるのは酷だ。

 残りは3試合。横浜M、磐田、鹿島という相手に対し、2トップは宇佐美、レアンドロ・ペレイラ、パトリック、鈴木武蔵と特徴の違う4人をどう組み合わせていくか。相手の特徴や力量差によって組み合わせを替える手もあるが、残された時間は少ない。FWの軸は松田監督下で最も重用されてきたレアンドロ・ペレイラになる可能性が高いとみるが、この日ピッチに立つだけでスタジアムの熱量を上げた宇佐美の存在が、鍵を握ることも間違いない。残りは3試合。引き分けすら命とりとなる苦しい状況に追い込まれたが、まだ諦めるわけにはいかない。(G大阪担当・金川誉)

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