元プロレスラーで元参院議員のアントニオ猪木さん(本名・猪木寛至)が1日朝、都内の自宅で亡くなったことが分かった。79歳だった。
通夜、告別式などは未定だが、猪木さんは74歳だった2017年10月21日に東京・両国国技館で自身の生前葬を開いていた。「INOKI ISM.2~アントニオ猪木『生前葬』~」と銘打たれたプロレス・格闘技興行で、満員札止めの7000人を集めた。
メインイベントは、スコット・ノートン(プロレス)対ピーター・アーツ(K-1)の異種格闘技戦で、その後に生前葬が営まれた。リング上に白い棺おけが置かれる中、名勝負を繰り広げたスタン・ハンセン氏、弟子の藤波辰爾、藤原喜明が参列し、藤原組長は「般若心経」を読経。テンカウントゴングが鳴らされた。
そこで猪木さんは「千の風になって」を熱唱しながら入場した。猪木氏は棺おけをパンチでたたき割ると、中から「魂」を思わせる赤い球を取り出し「生前葬、オレも何だか分かっていない」「全国で生前葬ツアー? バカ言ってんじゃねぇよ」と高笑いし、世界平和を願う「1、2、3ダァー」を2回繰り返して締めくくった。
その後は体調不良でツアーは行われず、これが猪木さんが主催する最後のプロレス興行となった。今年8月28日には、国技館から生中継された日本テレビ系チャリティー番組「24時間テレビ45 愛は地球を救う」に車いすで登場し、生前葬の地から復活を誓ったばかりだった。