【高校野球】聖光学院は利府と対戦…先輩たちが果たせなかった明治神宮大会出場の夢を継ぐ

スポーツ報知
リモート抽選でくじを引く聖光学院・高中一樹主将

 来春のセンバツ高校野球(甲子園)の重要な選考材料となる秋季高校野球東北大会(10日開幕、山形)の組み合わせ抽選会が30日、オンライン形式で行われた。2回戦で利府(宮城3位)と当たる今夏甲子園4強の聖光学院(福島1位)は、先輩たちが果たせなかった明治神宮大会出場の夢を継ぐ。なお記念大会のため、来春センバツの東北地区一般枠は「3」となる。

 対戦相手が決まっても、聖光学院の高中一樹主将(2年)は顔色一つ変えずにじっと抽選の結果を見つめていた。「相手というよりまずは自分たちのできる事を、泥くさくやっていくだけです」と福島王者としてのプライドを、東北舞台でぶつける覚悟だ。 

 福島県大会は、野手陣が爆発して準決勝までの3試合をコールド勝ちすると、決勝も2ケタ安打をマーク。「打高投低」と言われながら、投手陣も全試合を継投で3失点以下に抑え、攻守に安定感が光った。29日には、栃木国体に臨む3年生と試合を行い、2―4と善戦。高中主将は「力や技術はないが、しつこく、粘り強く食らいつく姿勢が今のチームにも出てきた」と成長を実感している。 

 目標は、優勝チームにのみ与えられる明治神宮大会(11月18日開幕)への切符だ。今夏、チーム史上最高成績となる4強入りを果たした先輩たちも「センバツは選んでもらう大会だが、神宮は勝ち取らないと出られない大会」と、目標にしながらも準優勝であと一歩夢に届かなかった。二塁手として前チームから主戦だった高中も、夢破れた悔しさは十分に知っている。

 国体に向け、夏が終わっても本気で日本一を目指す先輩たちとともに練習を続け「先輩から、絶対に負けない気持ちで、何があっても屈せず、倒されても起き上がれという言葉をもらって力になった」と感謝する高中。「3年生と一緒に神宮に行きたい。全員が死ぬ気で優勝を目指して、力はなくても、挑戦者として立ち向かっていく姿勢を見せ続けたい」。恩返しの神宮切符を目指し、強豪ひしめく東北舞台に聖光学院が乗り込む。

(秋元 萌佳)

 〇…田村は山形城北(山形3位)との対戦が決まった。石川蓮也主将(2年)は「この戦いが甲子園につながっているという自覚と責任を持って頑張りたい」と意気込む。県大会ではベンチ入り20人中12人が1年生ながら、18年ぶりの東北切符を獲得。エースで4番と大黒柱の石川だけでなく「周りの皆が県大会を通じて毎試合成長してくれた」とチーム力は向上中だ。まだ見ぬ聖地を目指し、「足下をすくわれないよう、一戦一戦着実に勝ち進んでいきたい」と着実に白星を挙げるつもりだ。

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