来春のセンバツ高校野球(甲子園)の重要な選考材料となる秋季高校野球東北大会(10日開幕、山形)の組み合わせ抽選会が30日、オンライン形式で行われた。今夏の甲子園で優勝した仙台育英(宮城2位)は、山田脩也主将(2年)が“つなぐ打撃”で夏春連続出場を目指すと意欲を燃やした。
頂点を目指すには厳しい道のりとなるのも想定済みだと、仙台育英・山田主将は前を見据えてこう話した。「第2代表なので(他県の)第1代表と当たるのは分かっていた。初戦からいい高校さんと当たらせてもらうので、しっかり戦っていきたい」。初戦の2回戦は青森県王者の青森山田と対戦。勝てば昨年大会も同じ準々決勝で敗れた花巻東と戦う可能性がある。難敵との対戦が続くが、負けるつもりはない。
持ち味を忘れず、さらに磨く。花巻東は高校通算90本塁打のスラッガー、佐々木麟太郎内野手(2年)が注目されるが「自分たちは長打が少ないけど、つなぐことを意識して一人一人が役割を果たしたい」。優勝した夏の甲子園でも本塁打は1本のみ。しかし低く強い打球を意識して安打を重ね、得点につなげた。長打が少なくとも勝ってきた自信を胸に戦っていくつもりだ。
秋季県大会決勝で東北に1―2と競り負けた後、「単純に力で及ばなかった。ミーティングで、やるべきことが何なのかを、もう一度確認しました」。試合形式の練習ではバントやエンドランなどの小技を磨きながら、状況に応じて走者を進める打撃を徹底。持ち味をどう生かすかに重点を置いて練習してきた。東北の舞台でレベルアップした姿をみせる。
練習の雰囲気がピリッとしなかったとき、チームメートへ「一人一人が主将、という意識を持ってやってくれ。もっと勝ちにこだわって、執念を持ってやらないといけない、と話しました」と明かした山田主将。チームをまとめ、勝利へ向かわせていく意欲十分だ。甲子園夏春連覇へ、まずは東北大会で頂点に立つために一戦必勝で戦い抜く。
(有吉 広紀)
〇…東北は八戸工大一―明桜の勝者と初戦の2回戦で戦うことが決まった。12年ぶりに秋の県大会を制し、佐藤響主将(2年)は「今やっている練習が間違っていなかった、と証明できた。これからはより質の高い練習ができるようにしていきたい」。県制覇におごることなく、センバツ出場を確実にするまで勝ち上がっていく。