岡崎慎司、W杯ドイツ対策伝授「激しさを受け流せ」スペインには「嫌なことするのが重要」かつて両リーグでプレー

インタビューに応じ代表への思いなどを語ったシントトロイデン・岡崎慎司(カメラ・井上 信太郎)
インタビューに応じ代表への思いなどを語ったシントトロイデン・岡崎慎司(カメラ・井上 信太郎)

 11月20日開幕のカタールW杯まで残り50日となった。スポーツ報知では、過去3大会に出場したベルギー1部シントトロイデンFW岡崎慎司(36)にインタビュー。今季から自身4か国目となるベルギーでプレーするストライカーに、日本代表への思い、欧州で挑戦を続ける意味を語ってもらった。また日本が1次リーグで対戦するドイツとスペインについても、両国でプレーした経験から特長を語ってもらった。(聞き手・井上 信太郎)

 ―昨季でスペイン2部カルタヘナとの契約が満了となった。中盤やサイドでの起用が多かった。

 「1番しんどかったかもしれないですね。最初はサイドをやるのもポジティブだったんですよ。ただ中盤に下りてゲームは作れるけど、結局はそこから目立たない選手になっていた。W杯というのも頭にあった中で自分を見失いそうで、一時は本当にしんどすぎて、日本に帰ろうかなという所までいきました。けど、これで日本に帰ったらと想像した時に、つまらない人生になりそうだなと思ってしまった。ここまで来たらもっとやりきった終わりを見てみたいと思って、欧州に残る決意をしました」

 ―なかなかシントトロイデンに決まるまでは時間がかかった。

 「シーズン終わってから日本で1か月過ごして、その後は欧州に戻ってバルセロナを拠点にしていたんですけど、思いの外、オファーがなかったのはマジできつかったですね。でもコロナもあって最近は色んな所を回れなかったので、お世話になった知り合いに会いにいきました。ドイツの自分のクラブ、バサラ・マインツ(ドイツ6部)に行ったり、イングランドに行ってレストランをやっている人と会ったり。(川島)永嗣さんにもストラスブールで会いました。たまに社会人のおじさんたちの中に入ってサッカーしたりとか。すごく新鮮で楽しかった。終わったらみんなで話しをして、コロナを耐え抜いた話を聞いたり、自分にとって有意義な時間でした。やっぱり欧州で頑張っている人たちは、自分たちの、日本人の力を証明したいというモチベーションでやっている人たちが多い。自分も同じような、自分にしかできないチャレンジをやりたいなと、心の底から思いました」

 ―8月に入ってシントトロイデンに練習参加した。

 「8月に入ったら自分で動き出そうと決めていました。シントトロイデンに練習だけでもとお願いをして、参加を認めてもらえた。たまたま、ホラーバッハ監督が、最初に紅白戦に入れてくれて、そこで2点取ることができた。それ以上に、練習から監督の中で動けているというのがあったみたいで。監督はブンデスでの自分のキャリアを知ってくれていたので、それが大きかったですね。監督のイメージにはまったことで、試合に出られているのもあると思います。まだ1点なので、もっと決めたいと思っています」

 ―カタールW杯まであと50日になった。今回は1次リーグ初戦で、日本は自身が5シーズンにわたってプレーしたドイツと対戦する。

 「本当に勝つメンタリティーがすごい。勝つためには最大限のことをする。もしかしたら、勝ちにこだわりすぎるドイツの選手は、日本にいたら空気読めないヤツと見られて、ちょっと浮いちゃうかもしれない。でもドイツは全員がそうで、その集団がまとまってW杯に勝ちに来る。今は調子を落としているけど、確実にW杯に向かって上がってくる。競り合いの強さも含めて、本番になればなるほど発揮してくると思います」

 ―ブンデスリーガには日本人も多くいる。ドイツ人のメンタリティーを理解している選手も多い。

 「1対1や競り合いの所では、負けないという気持ちをみんな持ってやっている。加えて、冷静さを持てる所は日本人の強みなのかなと思っています。前から激しく来る勢いを柔軟に受け流すことが大事。相手の勝つメンタリティーを利用する」

 ―スペインでも昨季まで3シーズンプレーした。

 「スペインは子供の頃から自分たちのアイデンティティーがあって、勝つこと以上に自分たちのサッカーにこだわる。ボールポゼッション(保持)の感覚は特殊で、調子に乗ると手がつけられない」

 ―東京五輪・準決勝では延長戦の末に0―1の惜敗。だがスコア以上の差があった。

 「相手の嫌なことをしていくのが、絶対スペインには重要になると思います。参考になるなと思うのが、スペインのチームは、ブンデスのチームとCLやELで対戦すると、勢いにびっくりして負けることがある(今季もCLでスペイン勢はドイツ勢に1勝2敗)。昨季のELでも、フランクフルトにバルセロナやベティスが負けていた。勢いや球際で持っていかれて、結構こけることがある」

 ―過去3大会に出場してきた。日本代表への思いは。

 「やっぱり入り続けたいし、最初に欧州に行きたいと思ったのも(08年北京)五輪の時に、常に海外の選手たちとやる環境でやらないと追いつけないと思ったから。今自分がどんな環境でも欧州にこだわってチャレンジするのは、常に日本代表が1番先にあるので。日本代表で活躍するために、やっぱり必要なことは欧州で切磋琢磨(せっさたくま)して競争し続けることが、僕の中で絶対条件だと思っています。今は名前も出ないほど遠ざかっていますけど、それでもあと6試合、ゴールを量産すれば何が起こるか分からない。W杯には絶対そういう選手が必要。自分次第で変えられると思っています。メンバー発表まで残り1か月あるので頑張りたいですね」

 ◆岡崎とW杯

 ▼10年南アフリカW杯 全4試合に右MFで途中出場。1次リーグ(L)第3戦のデンマーク戦で、後半42分に本田圭佑のアシストから左足でW杯初得点をマークした。

 ▼14年ブラジルW杯 エースとして1次L全3試合に先発。第3戦のコロンビア戦で1点を追う前半終了間際に本田のクロスを頭で合わせ、一時同点となるゴールを挙げた。だがチームは敗れ、1次L敗退となった。

 ▼18年ロシアW杯 足首の負傷を抱えながら臨んだ。1次L第2戦のセネガル戦では、自身が相手DFを引きつけ、本田の得点を導いた。だが第3戦のポーランド戦で再び負傷。3試合に出場し、計66分間の出場に終わった。

 ◆岡崎 慎司(おかざき・しんじ)1986年4月16日、兵庫県生まれ。36歳。滝川二高から2005年にJ1清水入り。11年にドイツ1部シュツットガルトへ。13年夏に移籍したマインツでは2季連続2ケタ得点。15年夏にイングランド1部レスターに移籍し、15―16年シーズンのプレミアリーグ制覇。19年夏にスペイン2部ウエスカに加入し、1部昇格に貢献。21年夏から同2部カルタヘナでプレー。今夏にベルギー1部シントトロイデンに入団。日本代表で国際Aマッチ通算119試合50得点。174センチ、76キロ。

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