手塚とおる、来年役者業40年 常に無垢な気持ちで演技と向き合う

ドラマなどで見せるクセのある役柄とは異なり、素顔は柔和な空気感をまとっている手塚とおる(カメラ・矢口 亨)
ドラマなどで見せるクセのある役柄とは異なり、素顔は柔和な空気感をまとっている手塚とおる(カメラ・矢口 亨)

 クセのある悪党も悲哀を背負った人物も演じ分け、作品に強烈な印象を残す。手塚とおる(60)は役作りには特段こだわりはない。「役に入り込むみたいなことはできない。僕は僕でしかないし、僕しか知らないので。だから『自分が医師だったら』『自分が道を踏み外したら』というアプローチの仕方でやっている感じですね」

 役者業への扉は意外なところから開いた。映画監督志望だったが、出演してくれる仲間がおらず「友達を作りたくて、新聞の広告に載っているオーディションを見学に行った。それが唐十郎さんと蜷川幸雄さんの舞台で。演劇を全く知らなかったので、『おじさんが並んでいるな』と思いながら8ミリカメラを回していたのを面白がってくれて、出演することになって…」

 役者業を始めて来年40年。振り返れば、多くの出会いに恵まれてきた。11月23日に開幕する舞台「守銭奴 ザ・マネー・クレイジー」(12月11日まで、東京芸術劇場プレイハウス)では、ルーマニアの名演出家・シルヴィウ・プルカレーテ氏と3度目のタッグを組む。

取材に応じた手塚とおる(カメラ・矢口 亨)
取材に応じた手塚とおる(カメラ・矢口 亨)

 「30代で自分の演劇が分からなくなっていた時に、エディンバラ演劇祭で見たプルカレーテさんの芝居に衝撃を受け『もっと頑張ろう』と思えた」と背中を押された存在だった。17年にプルカレーテ氏が日本で「リチャード三世」の演出をした際には、志願してオーディションを受け見事に合格。信頼を勝ち得て今作の出演も決定。存在感のある演技が期待できそうだ。

 役を演じている時はいつも、独特の感覚が胸に去来する。「一回袖から出た瞬間に生まれ、そのシーンを終えて、はけた瞬間に死んでいく。何回も生きて、死んで、また生まれてを繰り返す作業。毎回の出番で、生死の過程を受け取ってもらって、お客様にもドキドキして見てもらえるようなことが願いです」。常に無垢(むく)で新鮮な気持ちで、演技と向き合っている。(宮路 美穂)

 ◆手塚 とおる(てづか・とおる)1962年6月27日、北海道出身。60歳。1983年に舞台「黒いチューリップ」でデビュー。ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏が旗揚げした「劇団健康」に86年に参加し、92年の解散まで全作品に出演。その後は「ナイロン100℃」「野田地図」「大人計画」などの舞台に客演。映像では映画「シン・ゴジラ」、NHK「雲霧仁左衛門」シリーズ、TBS系「半沢直樹」などに出演。来年3月、映画「シン・仮面ライダー」が公開。

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    取材に応じた手塚とおる(カメラ・矢口 亨)

ドラマなどで見せるクセのある役柄とは異なり、素顔は柔和な空気感をまとっている手塚とおる(カメラ・矢口 亨)
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