佐藤駿、今季へ「ファイナルに行くことと、全日本で表彰台に乗る」 無良崇人コーチ「アクセル以外の4回転を跳んで構成も組めると思う」佐藤の才能語る

対談する佐藤駿(右)と無良崇人(カメラ・矢口 亨)
対談する佐藤駿(右)と無良崇人(カメラ・矢口 亨)

 フィギュアスケート男子で19年ジュニアグランプリファイナル優勝の佐藤駿(明大)と、14年四大陸選手権覇者の無良崇人コーチが対談した。佐藤は2月の左肩手術を乗り越え、新たに22―23年シーズンを迎える。復帰への第1歩となる今季に向け選手、コーチ目線からその思いを語り合う。またプロ転向した羽生結弦さんの公開練習「Share Practice」を見て感じたことも明かした。(取材構成=高木恵、小林玲花、取材日=2022年9月7日)

【無良】「日本のフィギュアは実力ある選手がたくさんいる。現状をどう見ている?」

【佐藤】「日本男子は正直全員、もうジュニアからノービス、シニアまで全てみんなうまい子しかいないなと思っているので。(三浦)佳生とか、今ジュニア1年目の(中田)璃士とかもそうですけど、下からも怖いなと思っています。下の子達から抜かれないようにして、なおかつ上を目指していかなきゃいけないなと思います」

【無良】「世界を見ると、絶対的な上っていう立場の人たち、ゆづやネーサンが抜けている状態になっているので、逆に今の日本の選手全員が上に上がっていくチャンスだし、新たな経験が出来る場が増えて行くってことになってくると思う。そういう中に、(佐藤が)どれだけ入ってくれるかどうかだと思うし、存在感を示すことってすごく大事。ジャッジから採点されるものなので、どれだけ大きい試合で、自分の存在感を出していけるかどうかにかかってくるのかなと思う。そういうチャンスがある意味、巡ってきている時期。そこをつかむために準備をしていかなきゃいけないところかなと思っています」

【無良】「素質っていう部分で考えると、彼(佐藤)は、とてつもないものがあるから。ある意味、4回転の跳び上がっていく感覚とか、あの回転の速さとかって、僕にはまずなかったし、今の時代の子だから出てくるもの。多分、世界的に見ても少ないと思うんですよ、感覚で4回転跳ぶ(選手)。それくらいのものを持っているので、逆に試合に出せないのがすごいもったいなくて歯がゆいというか」

【佐藤】「そうですね・・・」

【無良】「自分ではどう分析しているの?」

【佐藤】「いや~(15秒無言)、難しいです。やっぱり、試合をやらなきゃダメかなと思います。小さい大会もそうですけど、緊張して、足が動かないことが多いので。GPもジュニアも含めて、2年しかやっていないので、もっと海外試合をたくさん積むことが今の僕にとって大事なことかなと思います」

【無良】「彼は、普通に練習の中で4回転を3種4種普通に跳んで、プログラムで練習できるわけですよ。で、6分間も普通に跳ぶんですよ。だから『なぜ試合でそうなんねん』って感じになっちゃうんですよ。普通に跳べているんだから、その自信を持ってやってほしいなってすごく思うし、それだけ能力があって、自分の感覚でこんな感じっていうだけで出来る。その自信を持って、試合でも同じようにやればいいんじゃないの?ってすごい思うんですよ。多分、自信だけだと思う。その自信がつくとガラっと変わると思うんですよ。もちろんできないとき、失敗するときだってあると思うけど、『絶対やる』って決めて、自信を持ってやったとき、どういうものが出るかって考えたら、普通に多分4種類とか・・・いや、アクセル以外の4回転を跳んで、プログラムの構成も組めると思うんですよ。能力的には。本当にそれくらいの能力を持ってるから、自信を持ってやってほしい。羽生君が公開練習であれだけやっている。あれを見た選手ってすごいケツに火がついたと思うんですよ」

【佐藤】「はい。本当にそうです」

【無良】「駿は、もうすぐ今季初戦の東京選手権。そしてシーズンが始まるね」

【佐藤】「初めての東京選手権なんです。これまではいつも関東選手権に出ていたので。いつもより人数が増えるので緊張すると思うんですけど、初戦から良い成績が出せるように頑張りたいと思います。今シーズンはまずGP2戦で良い結果を残して、ファイナルに行くことと、全日本で表彰台に乗ることを目標に頑張っていこうと思います」

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