【番記者の視点】組織的高速プレスに完敗 浦和、C大阪に今季1分け3敗…国内無冠「心にポッカリ穴」

スポーツ報知
ホームでC大阪に敗れ、静まり返るスタンドをバックに肩を落とす浦和イレブン

◆YBCルヴァン杯▽準決勝・第2戦 C大阪4―0浦和(25日・埼玉)

 ゴール裏に深々と頭を下げた浦和イレブンに、サポーターの大ブーイングが降りかかった。ホームで0―4の大敗。今季国内主要タイトルの無冠が決まった。「非常に悔しい」(GK西川周作)、「心にポッカリ穴が空いた感じ」(MF小泉佳穂)、「終わってしまった喪失感を感じる」(MF大久保智明)。取材エリアを歩く選手から落胆の声が広がった。

 完敗だった。特に、前半はシュート0本。C大阪の組織的な高速プレスに苦しめられた。「自分たちがポジションを取るより相手のプレスのスピードの方が速く、はまってしまった」とMF岩尾憲。ボール保持時にGKやDFが厳しいプレスを浴びてロングボールを蹴らされ、回収されるシーンは前半だけで10回以上あった。

 象徴的な場面がある。0―2の前半38分。中盤の左サイドでボール奪取後、小泉がドリブルで中央へ持ち運んで縦パスを送ったが、受けたMF松崎快は相手が2~3人ひしめく密集へ切り込んで阻止された。小泉のドリブルは約8秒。進路はゴール方向ではなく、横に進みながらパスコースを模索した。攻撃に時間をかければ、帰陣が素早いC大阪守備陣のブロックはすぐに整ってしまう。

 岩尾は「組織的に守られるとプレーの時間を許してもらえなくなる」と指摘した。そこで有効になるのは、ドリブルやスピードで相手を突破できる「個」の力。「時間がない中で、個でズレを作る作業がもう少し行われるとパスもより生きる。相手はカバーのスピードも含めて非常に速く、パスやドリブルが難しい選択になってしまった。より相手がコンパクトなところに突っ込んでしまった」。鋭いドリブルが武器のMFモーベルグはベンチ外、快足と高い決定力を誇るFWユンカーは0―3の後半22分に投入。決勝進出には複数の得点が必要となる展開の中、相手の陣形を崩せる強烈な「個」を発揮する選手が少なかった印象もある。

 0―0でも決勝進出が決まる一戦。リカルド・ロドリゲス監督は「しっかり点を取って勝ちにいく」と臨んだ。3戦ぶりに復帰したGK金鎮鉉、センターバック2人とアンカーを中心とした相手ビルドアップに対し、浦和のプレスがかかりきらず。小泉は「相手が敵陣で数的優位なら、自陣ではこっちが優位。それを良しとしてたのが全員だったのか。意識統一がまだまだ若いなと差は感じた」と嘆いた。

 今季公式戦で最多の4失点。攻撃陣は最後まで沈黙した。今季の対C大阪はリーグ、ルヴァン杯の計4戦で1分け3敗と全く歯が立たず。西川は「相手は一発でも仕留める力があった。先制を許すと、守備を固められた中でボールを持って攻めなきゃいけなくて、崩すのは非常に難しかった」と敗因を分析した。

 ACLは来年2月の決勝進出、富士フイルム・スーパー杯こそ制したが、リーグ戦は現在9位、3回戦で散った天皇杯に続いてルヴァン杯も敗退。今季の国内タイトルは“無冠”となった。岩波は「どこが欠けてたかと言われると、全てだと思う」、岩尾は「タイトルを取ることでしか納得させられない部分もあると、非常に思う。本当にタイトルがほしかった」。内容も結果も最悪だった一戦のショックは大きい。(浦和担当・星野 浩司)

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