日本ハムの加藤貴之投手(30)が、初勝利を挙げたマウンドで大記録を打ち立てにいく。26日の楽天戦で先発する加藤は、1年目の2016年4月16日、札幌ドームでのロッテ戦で6回を4安打無失点に抑え初白星を挙げた。来年の北広島への球場移転を控え、札幌ドームでの“ラスト登板”を前にした25日、「初勝利したのも札幌ドームなので思い出はあります。しっかりと全力で頑張りたい」と意を強くした。
今季は25日までに21試合に登板しているが、与えた四死球はわずか10。1950年に野口二郎(阪急)が記録した15を下回る結果を残している。抜群の制球力を誇る左腕だが「(捕手が)構えたところに思い切り投げてるだけなので。あまり意識はしていない」。ポーカーフェイスを貫き、ストライクを投げ込んでいく。
7月16日にコロナの陽性判定を受けた。1か月、登板できなかった期間があったため「(不安は)すごいありました」と口にした規定投球回数には25日時点で到達していないが、あと3回1/3で1つの目標を果たすところにいる。「ここまで来られたので、最後気合で頑張ります」。今季最後のマウンドで加藤が先発としての責任を果たした先に、72年ぶりの偉業が見えてくる。