ホラン千秋「ホームと呼べる場所ある」 「Nスタ」キャスター6年目、役者から方針転換し活路見出す

真摯な姿が印象的なホラン千秋。充実期を迎え「今は1年がすごく早い」(カメラ・宮崎 亮太)
真摯な姿が印象的なホラン千秋。充実期を迎え「今は1年がすごく早い」(カメラ・宮崎 亮太)

 TBS系報道・情報番組「Nスタ」(月~金曜・後3時49分)のキャスターを務めるのが、タレントのホラン千秋(33)。同局の井上貴博アナウンサー(38)と共に17年4月に就任し、5年半が過ぎた。また、所属事務所・アミューズに在籍し20年の節目になる。ホランが同番組に懸ける思いを告白。役者からタレントに転身し成功を収めたが、転機になった出来事、未来について語った。(加茂 伸太郎)

 裏表のない性格と、ハキハキとした語り口が魅力だ。“夕方の顔”として立ち居振る舞いも、すっかり板についてきた。

 キャスター就任から5年半、ホランは「早いですね…。周りの方々から、第一声で『夕方のニュースいいね』『見てるよ』と言われる機会が増えました。テレビをつけると、(私が)いるんだという状況を実感しています」と語った。

 スタジオ内のアットホームな雰囲気に、親近感を覚える視聴者も多い。出演者、スタッフ間の信頼関係の強さを口にする。「自分のデスクがあって『ここがホーム!』と呼べる場所がある。何かあっても誰かが助けてくれる。逆に、誰かに何かあっても自分が動けるように、という意識が、みんなにある。そのチームワークが安心感と信頼感につながっている。ありがたい環境ですね」

 17年4月から共にメインキャスターを務める井上アナの存在も心強い。2人の軽妙な掛け合いも人気だ。「タイプが全然違うのがいいのかな。井上さんは、何か起こった時に『俺がやってやる!』という精神の持ち主。井上さんが何とかしてくれる、という安心感がある。やっぱりすごいなと思いますね。なんか認めたくないけどな~(笑い)。頼れるアニキというよりは、頼れるチームメートですかね」

 開始2、3年はスタッフやマネジャーを相手に何度も練習を繰り返した。記者、スタッフから話の流れの説明を受けると、手に取る原稿は赤ペンで真っ赤に染まった。「モニターを使って4、5分話しっぱなしという経験がなかったから、自分が説明しやすい言葉に情報を整理していく。うまくいかなかったら、本番後にマネジャーの前で“やり直し”。(課題を)一つずつ消化していきました」

 時間内に収めないと。一言一句間違えないように言わないと。完璧にこなそうとするあまり、狼狽(ろうばい)することも多かった。そんな時も、井上アナから「(画面に)全部出ているから」「分からなくなったら出ているものを読めばいい」とアドバイスを受け、精神的な余裕が生まれた。

 「原稿で迷子になっても、必要な情報は目の前にある。内容さえ理解しておけば、言葉は自分なりに操ればいい。操れるだけの理解度があれば、『やばい』『見失った』と焦る必要がなくなるんだと。成長できたかは分からないけど、情報を追うことでいっぱいいっぱいだった頃に比べて変わった部分かなと思います」

 自身は局アナではない。過去には、外部の人間をあえて起用する意味を考えたが、自分らしくいようと決めた。「アナウンサーの方と技術で張り合おうとしても、かけてきた時間もかけてきたものも違う。プロフェッショナルなトレーニングを受けたわけではないし、(いまだに)難しいワードの鼻濁音は苦手。技術を盗んでも張りあうことはないです」ときっぱり。「起用してくれた方の思い、期待に応えるには(局アナとは)違うことをやってきたバックボーンを生かすしかない。(私には)バラエティーから堅めの番組までをこなす振り幅、ひな壇から進行までできる立場の振り幅がある。報道番組だから―という固定観念にとらわれすぎないように、これからも取り組んでいきたいです」

 5歳からモデルを始めた。中学1年の時、現在の事務所アミューズに所属。役者を志したが、なかなかオーディションに合格できず、鳴かず飛ばずの青春時代を過ごした。

 人生の大きな決断を下したのは11年、青山学院大学を卒業し“社会人1年目”の年だった。マネジャーに「タレントとしてバラエティー、ラジオだったり、しゃべる仕事をしてみたいです」と思いを伝えた。大学3年の時、米オレゴン州立大学に1年間留学。演劇を学んだ。帰国後、民放キー局のテレビ局などに就職活動(結果は全滅)。現状を打破しようと、懸命に将来を模索した結果だった。

 「役者をやりたいけど、役者で食べていくには実績として乏しい。夢はあるけど、現実的に食べていかないといけない。やりたいこと、やれること、やるべきことを書き出して脳内で整理していきました。それまで呼んでいただいた作品も、“私である必要あるかな?”と考えた時、そうじゃなかった。自分の足で生きていかないといけない。可能性を広げてみるために方向転換しようと決めました」

 この決断が功を奏し、12年4月から1年間、日本テレビ系「NEWS ZERO」(現news zero)のキャスターに抜てきされ、現在の礎を築いた。

 転機となった番組には、11年10月から半年間担当したTBS系「ビジネスクリック」と、TOKYO MX「ULALA ナナパチ」の2番組を挙げた。「方向転換して最初に受けて受かった2つのオーディション。(自分の力で)勝ち取ったという意味では大きかった。その時の経験は今も大切にしています」

 過去を否定せず、現実と向き合い、それを受け入れることで道を切り開いてきた。今年は「―ZERO」から10年、事務所に在籍して20年になる。「仕事がなくて外部とも向き合えず、自分の中だけで悶々(もんもん)と考えを巡らせた前半の10年。方向性を変えて、歯車が一つ一つはまって回っていくのを実感できた後半の10年、という感じです。最初の10年はめちゃくちゃ薄いけど、その先の10年のために必要だった。どちらが欠けても、今の自分は成立しない。全ての経験が生きていますね」

 この先の10年に向け、どんな未来を思い描くのか。「悶々とした前半の10年があって、がむしゃらな後半の10年がある。この先の10年は一つ一つの質を上げること。数打てば当たるから、しっかりと球を選んでいきたいです。こうなるだろうとプランニングしても簡単に思い通りにはいかない。私自身、大学卒業のタイミングでなければ(女優からタレントの道へ)という考えにならなかったので。人生って面白いな~と思います。今のお仕事を続けて、より信頼してもらえるタレントになりたいですね」

今秋に新レギュラー番組2本スタート

 〇…ホランはこの秋、テレビ朝日系「ニンチド調査ショー」(29日スタート、木曜・後7時)、同局系「出川一茂ホラン☆フシギの会」(10月6日スタート、木曜・深夜1時26分)が始まる。「ニンチド―」ではフットボールアワー・後藤輝基(48)と司会を担当。「お笑いにストイックな方と承知しているのでMC術を盗めたら」。長嶋一茂(56)、出川哲朗(58)と臨む「―フシギの会」について「一茂さんは成功する確信があるみたいなので、信じてついていきたい。一生懸命に頑張りたいと思う」と意気込んだ。

 ◆ホラン 千秋(ほらん・ちあき)1988年9月28日、東京都生まれ。33歳。青山学院大卒。アイルランド人の父、日本人の母を持つ。5歳からモデル。2005年テレ朝系「魔法戦隊マジレンジャー」でドラマ初出演。これまで「シューイチ」「バイキング」などに出演。NHK「SONGS OF TOKYO」、TOKYO FM「Drive Discovery PRESS」に出演中。

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