「先頭を切る俺こそがスーパーメジャー」自信の塊・宮原健斗が紡ぐ創設50周年・全日本プロレスの未来

スポーツ報知
18日の全日本プロレス50周年記念大会のメインイベントで諏訪魔を下し、三冠ヘビー王者となった宮原健斗(カメラ・堺 恒志)

 ビッグマウスに加え、自分の名前を連呼する自己主張の強さ。そして、何よりかっこいい。台風14号直撃の中で行われた日本プロレス史に残るメモリアル大会の主役になったのが、宮原健斗(33)だった。

 18日、1972年にジャイアント馬場さん(99年死去、享年61)によって創設された老舗団体・全日本プロレスの創設50周年記念大会が東京・日本武道館に4780人の観客を集めて行われた。

 メインイベントとして行われた至宝・三冠ベルトをかけた大一番で王者・諏訪魔(45)に挑んだのが、過去5度にわたり、三冠王座を戴冠。通算24回の防衛歴を誇る宮原だった。

 入場テーマ曲「BREAK HEART」に乗っていつものくどく、長~い入場でコロナ禍の中、声を出しての応援が禁じられた観客を一気に引きつけた全日のエース。

 何度も拍手を要求すると、ゴングと同時に体重120キロの諏訪魔の重い打撃に真っ向から対抗。最後は、その顔面にブラックアウトを叩き込み、高角度で抱え上げ、いったん静止した末にたたきつけるシャットダウン・スープレックスホールドで3カウントを奪取。16分35秒の激闘の末、ベルト奪還に成功した。

 メインイベントの立会人を務めた全日のレジェンド・小橋建太さん(55)とスタン・ハンセンさん(73)を両脇にベルトを誇示し、笑顔を満開にした新王者。マイクを持つと、18年ぶりの武道館での大会開催に「帰ってきたぜ! 日本武道館」と、まず絶叫した。

 「今日で全日本プロレスは50周年だ。その歴史があって今がある。この先は俺が引っ張っていく」と言い切ると、観客に「長い歴史の中で最も最高のチャンピオンは誰だと思いますか?」と問いかけ。大きな拍手に包まれると、「満場一致で宮原健斗でしょ!」と言い放った。

 「全日本プロレス、最高ですか?」との再度の問いかけに観客たちが大きな拍手で応えると、満足げな笑顔を浮かべ、「僕たち全日本プロレスは50年の歴史を共に歩み、新しい時代に突入する。全日本プロレス、最高!」と叫んだ。

 汗まみれで引き上げてきたバックステージでも「50周年のメインでベルトを巻くことは俺の宿命であり、必然だった。全日の過去の歴史、ジャイアント馬場さん、ジャンボ鶴田さん、四天王、秋山(準)全日本、武藤(敬司)全日本、そのすべての過去を俺は否定しない。誰にでも過去はあり、今日からが新しい始まりなんだ」と、きっぱり。

 最後は「俺は全日のブランドに頼っているつもりはない。そんなものクソ食らえだ!」と言い放つと、「俺たちにはメジャーの意地がある。その先頭を切る俺がスーパーメジャーなんだ。明日から全日の新しい歴史が始まる」と早くも50周年の「その先」をにらんで言い切った。

 この夜のメモリアルマッチには小橋さん、ハンセンさん以外にも全日の歴史を彩ったレジェンドたちが集結。第8試合で行われた「創立50周年記念スペシャル6人タッグマッチ」には、渕正信(68)、越中詩郎(64)、大仁田厚(64)と、それに対峙するグレート小鹿(80)、谷津嘉章(66)、井上雅央(52)が登場。6人の年齢は合計394歳だった。

 さらに和田京平名誉レフェリー(67)に木原文人リングアナウンサー(56)も登場し、ゴング前には、グレート・カブキさん(74)が2本のヌンチャクでの舞いを披露した。

 第9試合の世界タッグ選手権試合の立会人としては川田利明さん(58)と田上明さん(61)も登場。09年にリング上の事故で亡くなった三沢光晴さん(享年46)以外の「四天王」が勢ぞろいした。

 3年ぶり来日とあって、バックステージでひときわ多くの取材陣に囲まれたハンセンさんは、こんなことを言って笑わせた。

 「これから全日本プロレスは新しい50年に入る。願わくば、50年後まで頑張ってほしいけど、その頃、僕はこの世にいないよね」―。

 王座戴冠後の16時間後には東京・後楽園ホールで行われた初防衛戦で野村直矢(28)を撃破。早くも初防衛を果たした宮原。10月22日、馬場さんの生まれ故郷・新潟・三条大会での大森隆男(52)とのV2戦も決まった。

 ハンセンさんが夢の一夜に口にした「全日本プロレスの新しい50年」を引っ張っていくのが、どのレジェンドよりも輝きを放った図々しいほどの自己主張の塊(かたまり)・宮原なのは間違いない。その力強く、まぶしいばかりの戦いを見届けた私は、そう確信した。(記者コラム・中村 健吾)

 ◆宮原 健斗(みやはら・けんと) 1989年2月27日、福岡県福岡市生まれ。33歳。福岡市立福翔高では柔道部に所属。07年1月、佐々木健介率いる健介オフィスに入門。08年2月、真田聖也(現SANADA)戦でデビュー。14年1月1日、全日本プロレス入団。15年5月、潮﨑豪と組んで世界タッグ王座獲得。16年2月、ゼウスを下し、三冠ヘビー級王座を史上最年少、平成生まれとして初めて戴冠。20年2月には川田利明さんの持つ歴代最多連続防衛記録に並ぶV10を達成するなど6度に渡り同王座に就き、通算25回の防衛歴を誇る。186センチ、105キロ。異名は「満場一致で最高の男」。

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