◆JERAセ・リーグ 中日2―6ヤクルト(21日・バンテリンドーム)
頼れる4番が不発でも総力戦で快勝。ヤクルトが優勝マジックを4とし、最短優勝は23日となった。日本選手最多記録を塗り替えるシーズン56号に王手をかけている村上宗隆内野手(22)は、3打数1安打2四球(1つは申告敬遠)と、13日の巨人戦(神宮)で2発を放って以降、5試合連続不発。高津監督は「打てない時もある。普通です。去年の方がプレッシャーかかってたと思うし、いつもと変わらない感じがする」と不安なしを強調したが23打席連続ノーアーチとシーズン終盤でまさかの足踏みとなった。
我慢の時が続く中、勝利に貢献はした。第1打席では四球を選び、2点を追う4回の第2打席ではサンタナの3ランを呼び込む右前打を放った。だが5回の第3打席では、1死二塁の好機で申告敬遠。球団最多タイとなる今季23度目の故意四球で勝負を避けられ、三塁スタンドからはブーイングが起こった。第4、5打席は三振。無双時に比べると、やや苦しんでいるようにも見えるが「記録より、チームが勝って、優勝してみんなで喜びを分かち合いたい思いが強い」というチーム優先のスタイルは変わらない。
歴史的一発はお預けとなったが、反撃のゴングを鳴らす一打で勝利に貢献。勝ちパターンが無失点でつなぎ、チームは逆転勝利を飾った。22日からは本拠地で4連戦。ついに29年ぶりのリーグ連覇が見えてきた。高津監督は「優勝したいとかじゃなく、勝ちたい。意味は一緒かもしれないけど、神宮で勝ちたいなと思います」と気を引き締めた。(森下 知玲)