【日本ハム】球団助っ人初のノーヒッター・ポンセが見せた「こころ配り」と「還元」

スポーツ報知
8月27日、ノーヒットノーランを達成したポンセ

 日本ハムの2022年シーズンも残り7試合。最終年を迎えた札幌ドームでの試合も、残すところ5試合となった。

 今季新加入したコディ・ポンセ投手は、来日1年目から何もかもが強烈だった。198センチ、116キロの巨体に、奇抜なヘアスタイル。練習中の絶叫はもはやお決まりになりつつある。開場前で薄暗い無人のスタンドをとてつもない大声で熱唱しながらランニングしていた日もあった。

 札幌ドームまでは地下鉄で通勤し、駅やドームまでの道のりでファンに声をかけられた時は明るく笑顔であいさつを返す。球場でカメラを向ければカメラ目線でポーズを決め、取材ではユーモアたっぷりの答えで報道陣を笑わせくれる。サービス精神にあふれた28歳だ。

 そんな陽気な助っ人が見せた「こころ配り」が忘れられない。

 8月10日。札幌ドームで試合前練習に臨んでいた右腕は突然、段ボールの箱を抱えてスタンドにやってきた。そのまま練習見学に訪れていた少年少女のもとへ向かうと、一人一人に手渡しでボールをプレゼントし始めたのだ。理由が気になった。翌日の取材で質問をぶつけると、こう返ってきた。

 「練習からの帰りで子どもたちが見えたんだ。僕はキャッチボールで使ったボールをロッカーに集めているんだけど、それを持ってきて、あげようと思いついて。大体17個ぐらいかな? と思って(ロッカーから)持ってきたらピッタリ17個だったよ。普段、試合の中ではボールをスタンドに投げ込むことが禁止されている。こういう機会にできるだけ子どもたちに何か与えられればいいなと思ってやりました」

 試合で活躍する以外にもできることはある。自ら考えたファンサービスだった。自身も「10歳ぐらい」の時にアメリカでボールをもらった経験があると明かし、「どのスポーツでもそうだけど、球場に来ている子どもたちはその球場でプレーしているプロ選手に憧れている。だからこそできる限り、子どもたちに還元できることを考えたいし、やっていきたい」。そのまっすぐな目には、優しくアツい人柄がにじみ出ていた。

 「近日中に札幌ドームで良い結果を出せるように頑張ります」と話していたのが8月11日。来日初登板から10試合連続で敵地での登板を経て、巡ってきた8月27日の本拠地初登板(ソフトバンク戦)。ポンセは、プロ野球史上87人目、球団の助っ人では初のノーヒットノーランを達成した。

 ファンのことを「家族の次に自分のことを応援してくれる存在」と大切にするナイスガイが見せた最高の「還元」。野球の神様が、この男の味方をしたくなる気持ちが少しわかった気がした。(北海道支局・堀内 啓太)

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