青森大の5季ぶり37度目の優勝で幕を閉じた北東北大学野球秋季リーグ戦で、将来につながる力投をみせた選手がいる。八戸学院大・松山晋也投手(4年)=八戸学院野辺地西=だ。すでにプロ志望届提出済みの右腕が、最後の最後で猛アピールした。
“遅れてきたプロ注右腕”が実力の片りんを見せた。最速154キロの直球と落ちる変化球を駆使し、7試合計26回でわずか2失点、防御率0・69の快投。主に抑え役を担い、松山は「(これまでより)気持ちが一番安定していたのが大きかった」と胸を張った。
指揮官の“活”で生まれ変わった。昨年までは制球を乱す場面が多く、リーグ戦登板は3年秋の2試合、計4回2/3のみだった。昨冬に正村公弘監督(59)から「150キロ(の球)があるのにリーグ戦で投げられないのは練習量が足りないからだ」と言われて奮起。一番多くて1日234球という投げ込みと合わせ、トレーナーと協力して修正した投球フォームを体にたたき込んだ。制球力向上が自信につながり、今春は4試合に登板。2勝を挙げた今秋の快投は多くのスカウトの目に留まった。指揮官は「一生懸命自分で考えて練習していた。それが最後に生きたんじゃないかな」とたたえた。
現在プロ4球団から調査書が届いている。「投げられない時期が長かったけどいい経験ができた」と4年間を振り返った松山。同リーグの富士大・金村尚真投手(4年)=岡山学芸館=に負けない潜在能力を持つ男が、ドラフト会議を静かに待つ。(有吉広紀)
◆松山 晋也(まつやま・しんや)2000年6月23日生まれ、青森・七戸町生まれ。22歳。小2から野球を始める。天間舘中では軟式野球部に所属。八戸学院野辺地西から八戸学院大に進む。リーグ戦通算13試合に登板して2勝。1メートル88、92キロ。右投右打。