宮城県村田町をバズらせる平均68・2歳のティックトッカー集団 その名も「老人戦隊」…ガンバる東北人

スポーツ報知
若者に人気の老人戦隊の(前列がこうちゃん、後列左からゆりちゃん、のぶちゃん、きょうちゃん、のりちゃん、りっちゃん)

 「宮城県村田町をバズらせる(話題にする)」ことを使命に、命の限り戦い続ける―。宮城県村田町にゆかりのある高齢者6人が集まり結成した「老人戦隊」が動画投稿アプリ「Tik Tok(ティックトック)」で話題を集めている。楽しく、自然体をモットーとする平均年齢68・2歳のティックトッカーは、元気な姿を発信して地元の過疎化や自らの老いに立ち向かっていく。(取材・構成=秋元 萌佳)

 色とりどりのジャージーに身を包み、軽快な音楽に合わせて踊るのは、女子高生でも、イケメンでもなく、6人の元気な「ベテラン」だ。「老人戦隊」は昨年12月に地元の宮城県村田町を盛り上げるべくピンクレンジャー・ゆりちゃん(79)、赤レンジャー・のぶちゃん(65)、青レンジャー・りっちゃん(66)、黄レンジャー・たかちゃん(68)、緑レンジャー・きょうちゃん(68)、黒レンジャー・のりちゃん(63)の男女6人で結成されたティックトッカー。平均年齢68・2歳。どこかぎこちなく、個性あふれた動画が人気を呼び、昨年12月の初投稿からフォロワーは1万8700人、動画は30万件以上のいいねを獲得している。

 拠点の村田町で生まれ育ったゆりちゃんは「自然豊かできれいな町並みが残る素敵な場所」と胸を張る。標高200メートルほどの山々に囲まれた市街地には、田園地帯が広がる。村田字町の一部では、江戸時代から商都として栄えた蔵の町並みを残し「みちのく宮城の小京都」とも呼ばれる。しかし交通網の変化などで過疎化が進行。人口は1950年の最多1万6000人から年々減少し、8月末時点で老人戦隊のフォロワー数よりも少ない1万297人だ。

 町を盛り上げようと昨年12月、地域活性化に貢献するインフルエンサー育成を目指す事務所「YAIZOO仙台」の白岩雄一郎代表が、友人の母親であるゆりちゃんに活動を提案。ゆりちゃんは「ぜひ村田町のアピールをしたい」と経営する居酒屋のカラオケ仲間を誘って老人戦隊を結成した。

 6人は会社員や農家などの仕事と並行して撮影を行い、観光地や道の駅などを背景に踊る動画や、町内の飲食店で食事する風景などこれまで120本以上の動画を投稿。集合してから手本の動画を見て振り付けを覚えるが、テンポの速い曲に合わせる複雑な動きに、余裕がなく笑顔を忘れることもしばしば。唯一の男性メンバーのたかちゃんは愛のムチを浴びることも多く「すぐ忘れちゃうんだよね」と苦笑いだが、その絶妙な空気感に心をつかまれるファンが後を絶たない。

 約30分程度で1本の撮影が終了すると、持ち寄ったおやつなどを食べたりして一息つく。ゆりちゃんが「楽しむことが一番よ」と話すように雑談にも花が咲くが、休憩中も次の動画の振り付けを覚え、アイデアを出し合ったりと使命をまっとうすることを忘れない。

 「Tik Tokという存在すら知らなかった」という6人も、今ではアプリで自ら応援コメントに返信したり「どんな動画が流行なのかチェックしている」と、活動は元気の源にもなっている。「私たちの大好きなこの町をたくさんの方に知ってもらって、ぜひ来てもらいたい」とゆりちゃん。若者顔負けのパワフルさで、6人は地元の魅力を発信し続ける。

 ◆宮城県村田町 明治維新後、1889年に村田村として設置され、1895年に町制を施行した。1955年には、村田町、沼辺村、富岡村菅生地区が合併し、新しい村田町が発足。60年に、川崎町から櫛挽・道海地区が編入され、現在に至る。面積は78・38キロ平方メートル。中心市街地は土蔵造りの店舗と、豪壮な表門とが並ぶ古い町並みが残り、2014年9月に国の重要伝統的建造物群保存地区として選定。国内で唯一、国際公認コースを複数保有する総合モータースポーツ施設「スポーツランドSUGO」があり、モータースポーツ界では鈴鹿と並ぶ知名度を持つ。

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