【仙ペン】東京ドームから東京ドームへ

スポーツ報知

◆JERAセ・リーグ 巨人5―4ヤクルト(20日・東京ドーム)

 「内海をかわいがってくれてありがとうございました」―。堀内さん、ずるいよ。あんまり僕らを泣かせないでほしい。

 素晴らしい引退のセレモニーだった。由伸さんの笑顔のエールにはグッときたし、慎之助さんのメッセージにも胸を打たれた。

 内海哲也という人間の魅力と周囲の愛情。殺伐とした難儀なご時世だけど、久しぶりに気持ちがホッコリしてしまった。

 なぜか思い出したのは落合さんの引退会見。内海とは真逆だった。ハードボイルドというか東京砂漠というか。湿り気ゼロのオレ流美学はすごかった。

 1998年10月。「現役生活にピリオドを打つというか、まあ引退みたいなものです」―。球団事務所の会議室。もちろん金びょうぶなんかない。簡素なテーブルと椅子。球史のレジェンドにしては貧相極まる舞台仕立てだったけど、これが不思議と似合っていた。

 「自分は職業としてこの世界を選んだ。オレのような生活感のある選手は珍しかったと思う。こういう人間が増えれば面白くなるんだが…」

 そう言い残すと球団から贈られた花束をテーブルの上に放置したまま、さっさと出て行った。ホントに格好いいよね。

 あの時は、この人が平成を代表する名将になるとは思いもよらなかった。原監督と同様、今や選手としてより指揮官として語られることの方が多い。

 だから内海だって分からないよ。10年後は「ジャイアンツの元エース」という肩書も上書きされているかもしれない。「嫌われない監督」とか言われていたりして。

 そんなわけで、東京ドームのレギュラーシーズン最終戦。V目前のヤクルトに勝ち越しを決め、CS圏内に突入した。この期に及んで「20発クインテット」が頼もしい。岡本和と中田は日替わり本塁打定食だし、ポランコもゾーンに入った感じがする。

 ギリギリで落としていた試合を、ギリギリで拾えるようになってきた。これってひょっとして強いってことなのか。あと7試合とは言わせない。まだまだ戦いは続くはず。そして戻って来いよ。我らがホーム、東京ドームへ。

巨人

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請