星組・極美慎、主人公とともにもがき苦しんで得た成長と指針…バウホール初主演「ベアタ・ベアトリクス」

スポーツ報知
芸術家がもだえ苦しむさまを眼力も込めて表現した宝塚歌劇星組・極美慎(カメラ・筒井 政也)

 宝塚歌劇星組スター・極美慎(きわみ・しん)が19日、兵庫・宝塚バウホール初主演作「ベアタ・ベアトリクス」(作・演出、熊倉飛鳥)の千秋楽を迎えた。劇団100周年の2014年に入団した“タカラヅカ新世紀”の期待の星が、19世紀中期に生きたイギリスの画家ダンテ・ガブリエル・ロセッティの苦節の歩みに真っ向から挑み、成長ぶりと明日への指針を示した。(筒井 政也)

■英画家ロセッティを好演

 主人公と同じように、もがき苦しみながら、オリジナルの“代表作”をひとつ、描き切った。

 ロセッティ(極美)が妻のリジー(小桜ほのか)をモデルに、公演タイトルにもなった絵画「ベアタ・ベアトリクス」を完成させるまでの挫折、苦闘の物語。いたずら小僧が大暴れするような明るいオープニングで始まるが、やがてライバル画家との友情や確執、絵のモデルとなった女性らとの愛憎劇へと進展する。なかなかハードな内容だ。

■長身、スタイル、端正な顔立ち

 極美は2025年の大阪・関西万博で宝塚歌劇が送り出すアンバサダー5人の星組代表。175センチの長身で抜群のスタイルと、元雪組トップスター・壮一帆(14年退団)を思わせる端正な顔立ちで早くから注目され、新人公演主演(いずれも本役・紅ゆずる)も2度経験した。

 9年目で初のバウ主演作は心の動きが忙しい役どころだったが、むき出しの感情の力強さで見るものを引きつけた。一方、すれたところがあり、ふてくされた様もセクシーで、華やかなルックスの割には、意外と悪役が合うのかもしれない。セリフが聞きづらいなど課題は多いが、可能性の広がりを感じさせた。

■「人生に影響与えるのでは」

 今月8日の開幕時、極美は「今回の作品を通して、絵画の世界を学ばせていただきました。歴史に残る絵画が作られた裏側には、たくさんの物語があるんだなと勉強になりました。この出合いは人生に影響を与えるのでは」とスピーチ。舞台劇術を想像する過程もまた同じ。来年は“男役十年”の節目。未来図をどう描いていくか、見ものだ。

 ロセッティの前に大きな壁となって立ちはだかり、物語を動かす天才画家ジョン・エヴァレット・ミレイ役は天飛華音(あまと・かのん)が演じた。まだ7年目だが、ロセッティとは対照的で生真面目な青年像を的確に表現。途中、ミレイが主役でもよいのでは? とも思わせた。今後も、極美のライバル的な存在になっていくだろう。ロセッティを支える友人ウィリアム・ホルマン・ハント役を務めた8年目・碧海(あおみ)さりおは、落ち着いた演技で芝居に抑揚をつけた。

 ◆極美 慎(きわみ・しん)7月26日生まれ。神奈川・横浜市出身。2014年「宝塚をどり」で初舞台。第100期生。組回りを経て15年に星組配属。17年の「ベルリン、わが愛」と19年の「霧深きエルベのほとり」で新人公演主演2度。芸名は幼少時から習っていた空手に由来する。身長175センチ。愛称「しん」「かりん」。

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