今季の阪神を象徴する敗戦だった。投手陣が頑張っても、守りのミスで失点し、攻撃では好機にあと1本が出なかった。
もっとも痛かったのは初回1死一、二塁の4番・大山の三ゴロ併殺打だ。カウントは3ボール。スイングするなら、球種もコースも絞らないといけなかったが、変化球を引っかけた。小川が立ち上がりに苦しむ様子は分かっていたはず。圧倒的有利な状況で慌てて打つ必要はなかった。無死一、二塁で近本が走者を進められなかったことも響いた。
リリーフ陣の踏ん張りがあり、逆転勝ちしなければいけない展開だった。0―1の9回2死二、三塁の場面。佐藤輝は歩かされることなく、しかも外野に前進守備を敷かれて、空振り三振。捕手・中村にマクガフのストレートは打てないと見切られていた。
終盤の逆転が少ないのは佐藤輝に限らず、勝ちパターンで投げるリリーフ陣の速いストレートを打てないから。大きな課題は今年も解消されないままだ。(掛布 雅之)