◆JERAセ・リーグ 巨人1―3DeNA(18日・東京ドーム)
今季を象徴するように、もう一本が出ず、もう一踏ん張りができない試合だった。DeNA先発の大貫がいい投球をする中で先に点を取られた。しかし、その直後に岡本和の一発で1点差とし、さあこれからとなったところで次の1点が奪えず、逆に9回に1点を加えられた。流れを引き込めなかった。
V逸が確定したということで、ここまでを振り返ると、やはり先発もリリーフも安定させて戦えなかった。年間を通して投げ続けた先発は戸郷だけ。菅野もコンディション不良で投げられない時期があったし、外国人投手もなかなか1軍で戦い続けることはできなかった。若い投手が次々と出てきたが、計算が立つまではいかなかった。ローテーションを固定して回す期間が少なかった。後ろは大勢が出てきたが、そこにつなぐ形も固定できなかった。
後ろの大勢へつなぐ形が… 打線も核となる坂本、岡本和、丸がいい状態で並んだ時期が少なかった。そうなるとやはり安定した戦い方ができなくなる。いい結果が出たシーズンを思い返すと、基本的な打線の並びも先発ローテ、勝ちパターンの継投もあまり変わらないものだ。
好調バラバラサカマルオカ 残り9試合。逆転CSへ、状況によっては代打起用や継投など、どんどん仕掛けを早くしていく必要があるだろう。大勢の回またぎや、初の3連投も視野に入ってくるのではないか。リリーフ陣を惜しみなくつぎ込める状況にするためにも、菅野と戸郷には長いイニングを投げてほしい。19日のDeNA戦は先発する菅野が1人で投げきって勝つのが理想だ。そうすれば20日以降の試合でリリーフ陣を使いやすくなる。(野球評論家・清水隆行)