◆JERAセ・リーグ 巨人3―2阪神(17日・東京ドーム)
矢野監督の夢がついえた。シーズン136試合目に、リーグ優勝の可能性が完全消滅。「もちろん、優勝は狙って目指してやってきたんで。でも、まだ(日本一の)目標はある。しっかりやっていきます」と受け止めた。春季キャンプイン前日の異例の退任表明から始まった激動の1年。チームは17年連続のV逸となった。
今季最後の伝統の一戦で、G戦24イニング無失点だった西勇が沈んだ。5回に同点とされ、6回には中田、ポランコの一発攻勢で勝ち越しを許した。2点を追う7回に無死一、二塁で梅野の犠打失敗が響き、反撃は続く代打・マルテの左前適時打の1点止まり。指揮官は「負ける原因はある」と顔をしかめた。
就任4年目のラストイヤーは、リーグワーストの開幕9連敗とつまずき、17試合を終えた時点でプロ野球史上最低の勝率0割6分3厘。その後、青柳ら投手陣が奮闘し、7月24日の前半最終戦で、球団では借金16以上から56年ぶりとなる勝率5割に戻した。しかし、8月上旬に課題の打線は核を担う大山、近本、中野が新型コロナウイルスに感染して急失速。8連敗するなど、勢いを失った。
現状3位だが、4位・広島、5位・巨人と0・5ゲーム差。残り試合数の兼ね合いで、自力CS進出の可能性も消えた。「(CS圏内を)死守ってつもりはない。奪い取るしかない。結局は自分たちの野球をどれだけできるか」と矢野監督。4年連続のAクラス入りは逃せない。(小松 真也)