関西六大学野球2022年秋季リーグ戦は中盤戦に突入。大商大は2季連続、龍谷大は2季ぶりの優勝を目指して奮闘。大経大、大院大、京産大、神院大の躍進はあるのか―。各大学の注目選手を紹介する。
◆ ◆ ◆ ◆
大経大の才木はリベンジに燃えている。今春は自己最速の153キロを計測。8登板で防御率1・16だったが、1勝4敗に終わった。「何一つ、満足はいっていない。春の結果が悪かったので、評価を落とした」と、プロ入りへの危機感を口にした。
持ち味は150キロ台の直球と強気な姿勢だ。「真っすぐは投球の基本。基本をどれだけ極められるかが大事だと思い、一番練習してきた。内角にも自信を持って投げ込める」と、こだわりを持つ。北海道栄高3年時の体重は68キロだったが、大経大入学後は毎晩3合の米を平らげて86キロに増量した。球速は145キロからアップ。高校時代は持ち前の小顔も相まって「モデルみたい」と周囲から言われていたが「今は面影すらない」と笑う。
高卒でプロ入りした同級生から刺激を受ける。中学時代は藤原(現ロッテ)、小園(現広島)と同じ野球教室に通っていた。「体つきからレベルが違った。こういう選手がプロに行くんだろうな、と。自分は高校でやれればいいやと思っていた」。特に、同じ大阪・豊中市が地元の藤原が、大阪桐蔭高で頭角を現した際には「横で一緒にプールで泳いでいたやつが、あんなところまで行くとは思っていなくて、ビックリした」という。その後、自身も北海道で力をつけ、高校3年でプロを意識。大学で大阪に戻り、同じ舞台を目指せるところまで来た。
大学最後のリーグ戦では、目に見える結果を出す。今季は11、12日の京産大戦に抑えで連投し、勝ち点獲得に貢献した。「(昨秋に獲得した)優秀防御率賞をもう一度取りたい」。グラブに刻んだ「就活中」の文字通り、マウンドで自身の価値を示す。
■才木海翔(さいき・かいと)2000年6月10日、大阪・豊中市生まれ。22歳。庄内小3年から豊中ゼッツで野球を始め、豊中市第六中では準硬式野球部に所属。北海道栄高では2年秋からベンチ入り。2年秋の道大会と3年夏の南北海道大会で4強。大経大では1年春からリーグ戦に登板。