昇格が困難となったJ2ヴァンフォーレ甲府がこれから取り組むべきことは

スポーツ報知
大宮戦で完敗した甲府の選手たち(9月10日撮影)

 J1復帰を目標に掲げたJ2ヴァンフォーレ甲府がもがいている。ここまで9勝15分け11敗。勝ち点42で暫定14位だ。残り7試合で、J1参入プレーオフ圏内(6位以内)との勝ち点差13を埋めるのは現実的には厳しい。

 これまでの試合を観ていて、個々の選手の能力はJ2の中でも決して低くはないと思う。天皇杯準々決勝でJ1福岡を2―1で破って、チーム史上初のベスト4に進出したのは、その証拠の一つだろう。ただ、長丁場のリーグ戦となるとチームとして戦い抜く地力が備わっているとは言い難い。

 吉田達磨監督(48)は、記者との質疑の中で選手個人を批判することはほとんどない指導者だ。良い意味でも悪い意味でも、気遣いをする人なのだな、と感じる。ただ反面、批判にならぬよう遠回しに言う結果、伝わりにくいこともある。勝てたはずの8月27日の第33節・金沢戦を2―2で引き分けた後は、こんな感想をもらした。

 「強いチームには、できなければ相手が認めない雰囲気がある。(選手の)互いの監視力、(失敗は)許されないという空気が(今のチームには)欠けているのかな」

 私が「つまりリーダーシップを発揮できる選手がいないということですか」と問うと「いや、そういうことではないです」と即座に否定した。しかし、そういうことのように思えてしまう。

 新チームスタート時、甲府のキャプテンマークは週刊誌報道を受けて6月に退団したMF新井涼平が付けていた。だが、新井には試合出場機会がほとんどなく、副将のMF長谷川元希やMF石川俊輝がキャプテンマークを付け、最近ではMF荒木翔が付ける。直近の9月10日の大宮戦ではDF浦上仁騎が付けた。試行錯誤している表れではないだろうか。そんな中で全力を尽くす選手たちが空回りする姿を見ると、痛々しさも感じる。

 吉田監督は強いチームの空気が「選手たちが生み出せないのならば僕がやらなきゃいけない」とも話した。だが、監督とピッチ上のキャプテンの役割は違うのではないか。今必要なのは、求心力のある中心選手を見いだし、育てることのように思えてならない。来季も甲府の戦いは続いていくことを考えれば、今からでも遅すぎることはないと思う。(記者コラム・甲斐 毅彦)

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