マラソン・星岳、仙台89ERSもサポートした仙台大トレーナー白坂広子さん、夢は高校に1人 トレーナー のいる環境作り

スポーツ報知
仙台大の川平ATで働く白坂さん(カメラ・高橋宏磁)

 東北から世界へ羽ばたこうとする高校生たちを陰ながらサポートするトレーナーがいる。仙台大学の川平アスレティックトレーニングルーム(AT)で勤務する白坂広子さん(43)だ。2月の大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会で優勝した星岳(23)=コニカミノルタ=も、明成高(現仙台大明成)時代にサポートを受けた一人。“アスリートの卵たち”を支える白坂さんに思いを聞いた。(取材・構成=高橋宏磁)

 仙台大の川平ATは14年、仙台市青葉区内にオープン。明成高(現仙台大明成)に隣接した土地に作られ、当初から同校の様々な部活動をサポートしてきた。白坂さんは14年から仙台大の専任教員として、明成の生徒を支えてきた。トレーナーとして負傷した選手のケアはもちろん、ケガの予防や筋トレなども指導。最初に指導した生徒の一人が、2月の大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会で優勝した星だ。

 「(星)岳が1年生の時(14年)に、仙台大学の川平アスレティックトレーニングルームがオープンしました。当時、明成高はまだ仙台大の付属高ではありませんでしたが、1年生から3年生までサポートしたのは、岳の代が初めてでした」

 星は同大会で初マラソン日本歴代1位となる2時間7分31秒を記録したが、その道のりは平たんではなかった。桜丘中時代は野球部で内野手。陸上を始めたのは明成高に入学してからだった。星本人は入部当初、練習についていくのも大変だったと明かしている。

 「岳は中学時代は野球部。長距離選手としてのケアの仕方は分からない部分が多かったですね。コンディションに関する部分はアドバイスしました。長距離選手としての筋肉量も少なかった。だからこそ、太ももなどに痛みが出やすかった部分もある」

 星には練習後、マッサージなどを施した後で週3回、筋力トレーニングを行うことを勧めた。3年間、練習はもちろん筋トレにも真面目に取り組んでいたという。

 「真面目な生徒でしたね。練習前の準備や練習後のアイシングなど、淡々とやってました。当時いた長距離の選手の中で一番長い時間、ATにいたのが岳だったと思います。練習が終わった午後6時ぐらいから、長い日は1時間半ぐらいはいましたかね」

 白坂さんは米国の大学を卒業し、全米アスレチックトレーナー協会(NATA)のトレーナー資格を取得。帰国後はバスケットボールの当時bjリーグの東京アパッチで勤務。11―12年シーズンから2シーズンは、仙台89ERSのトレーナーとして働いた。仙台89ERSから誘いがあったのは、東日本大震災の発生から数か月後。周囲からは仙台に行くことに反対されたこともあったが、本人に迷いはなかったという。

 「実際に被災地に行ったこともなかったですが、復興しようと頑張っているチームの関係者から情熱をいただいた。私も一緒に頑張りたいなと思いました」

 2人の子どもの母親でもある白坂さん。その夢は大きい。

 「米国では公立校でも8割ぐらい高校にトレーナーがいます。日本ではそれぞれの部活動で整骨院の先生がサポートしているケースはありますが、高校にトレーナーがいるケースは少ない。日本でも、高校に1人トレーナーがいる状況をつくれたら、と思っています。スポーツのトレーナーを目指す若い子が多い一方で、就職先が見つかりにくいという状況もあります。うちの学校が良くなるだけではなく、そういった環境が出来たらと思っています」

 ◆白坂広子(しらさか・ひろこ)1978年10月18日、東京都生まれ。43歳。西フロリダ州立大を経て、オーガスタ州立大大学院修了(保険体育修士課程)。大学卒業後に、NATAのトレーナー資格を取得。bjリーグ東京アパッチや、仙台89ERSでの勤務を経て、13年秋から仙台大の専任教員に。既婚。

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