スポーツクライミング楢崎明智 兄弟出場を目指すパリ五輪へ再出発「全ての結果がつながっている」

スポーツ報知
取材に応じるスポーツクライミングの楢崎明智

 スポーツクライミング男子の楢崎明智(TEAM au)は、東京五輪4位入賞の楢崎智亜の弟で、24年パリ五輪出場へ期待がかかる逸材だ。16年にW杯に初参戦すると、186センチの長身を生かしたダイナミックな動きで19年世界選手権(東京・八王子)コンバインドで5位。今季は6月のW杯(イタリア)で6位入賞を果たした。兄弟出場を狙うパリ五輪への歩み、成長を続ける楢崎明の目指す場所を聞いた。

 パリ五輪へのスタートとなる今シーズン。今季6月のW杯までを振り返った楢崎明は、「しっかりと決勝に残ることができて成長を実感します。智くん(兄)といつも練習していて手応えはすごい感じていますし、特に拠点とは違うクライミング施設で登ったときに、今までは苦手だと思っていた課題もバランス良く登れたりします。穴が減ってきていると感じますね」。

 常に練習を共にしている楢崎兄弟は、互いが欠かせない存在だ。「僕の方が得意な動きもあれば智くんの方が得意な動きもあるので、お互いにアドバイスし合っています。例えば『重心寄り過ぎだからもうちょっとバランス考えて』とか、かなり細かく言い合ってやっていますね。最近だと課題を作り合って、登って、というような練習をしました。かなり盛り上がりましたね」。

 現在特に注力しているのは、ボルダ―力(登る力)。「リード種目でもボルダー種目でも絶対にこの力は必要。リードって、見方を変えればボルダリングの連続じゃないですか。一つ一つのボルダ―の強度が低く感じられれば、当たり前だけど体力も奪われない。そういう意味でベーシックな地力、苦手なパワー系の動きを意識して練習していますね」。

 他選手よりも遠いホルダーに手が届きやすい長い手足は楢崎明の長所だが、逆に「狭い動き」は少々苦手。「だからこそ、特に練習しています。外国人の選手は苦手な動きは捨てて、得意をひたすら伸ばしたがるんですが、日本人はみんな苦手をすごく練習して、埋めていこうとする。日本人の真面目な部分が出ていてすごく強みだと思います。特に智くんくらい穴が少なければ、常に世界の舞台で表彰台に立てると思います」。

 近年同種目での日本のレベルはかなり上がっており、W杯で日本勢が表彰台を独占することも増えた。「みんな確実に高め合っています。智くんがW杯で表彰台に上るまで、日本人は予選通ったらすごいくらいに言われている世界だった。だから智くんが相当先駆けになってくれたと思います。さらに僕にとっては間近で活躍している人がいると目標にしやすい。例えば智くんと一緒に10課題の勝負をして引き分けくらいの結果だったら『自分もW杯いけるじゃん』って自信を持てたり」。

 次の試合は、栃木国体(スポーツクライミングは10月2~4日)。1チーム2人の団体戦で、リード、ボルダリングの2種目を行うのだが、楢崎兄弟で出場の予定だ。2人は14年長崎国体で少年男子ボルダリングで優勝の経験もあり、2度目の優勝で、今シーズンにさらに勢いをつけたい。「全部の結果がつながっていると思います。競技を始めたときからの大きな目標は世界選手権優勝。しっかりと成績を出せば、パリ五輪にもつながると思うので、今後も頑張っていきます」。期待の次世代ヒーローが、さらなる飛躍を誓った。

 ◆スポーツクライミング リードは登った高さ、ボルダリングは登り切ったコースの数、スピードは15メートルの壁を登る速さを競う。東京五輪は3種目の複合で行われたが、パリ五輪はリードとボルダリングの複合、スピード単独の2種目が行われる。

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