◆第40回ローズS・G2(9月18日、中京競馬場・芝2000メートル)
秋華賞トライアル、第40回ローズS・G2(3着まで優先出走権)は18日、中京競馬場の芝2000メートルで行われる。新企画「母を訪ねて~母系血統チェック」の第2回は、凱旋門賞に出走するステイフーリッシュの半妹・ラリュエルをピックアップ。春はG1出走に手が届かなかったが、成長力に富む母系の持ち主で上位争いに食い込める。
ラリュエルは今年に入って海外重賞を2勝し、凱旋門賞に挑戦するステイフーリッシュの半妹。活力にあふれる母系の出身だ。7歳の今年に“本格化”したステイゴールド産駒の半兄だけでなく、母カウアイレーンの半兄にあたるブラックホークも7歳時に安田記念を制覇。春の重賞では善戦止まりだったが、成長力豊かで逆転を期待したくなる血の持ち主だ。
2代母のシルバーレーンは仏G3・グロット賞(1600メートル)を制覇し、2400メートルの愛オークスで3着に入るなど中長距離でも結果を残した。名門クローフィッシュ牝系に属し、その遺伝子は子供や孫たちにも引き継がれている。
産駒にはブラックホーク、ピンクカメオのG1馬が2頭。それだけでも注目に値するが、孫のプラチナチャリスは17年のG3・ダービー卿チャレンジT(1600メートル)を制したロジチャリスや、同年のG3・京都2歳S(2000メートル)で重賞Vを飾ったグレイルなど重賞ホース(障害含む)3頭を送り出した。ロジチャリスはダイワメジャー産駒、グレイルはハーツクライ産駒。前記した孫のステイフーリッシュも含め、距離適性は父の特長が出る母系とも言える。
母カウアイレーンは、オープンのターコイズSなどマイルで5勝。未勝利戦を1分34秒7の2歳レコード(当時)で勝利した。ステイゴールドからタフさとスタミナを受け継いだ半兄から、父がマイルからクラシックディスタンス(2400メートル)を得意とするディープインパクトになったことで、今回の舞台設定はフィットする。「(ステイフーリッシュは)スタミナ型という感じですが、こちらは脚が軽くてバネがある。ためれば切れる脚を使えるイメージです」と両馬の手綱を執ったことがある坂井も証言。先週のセントウルSはレコード決着。開幕2週目の高速馬場をラリュエルが味方にする。(戸田 和彦)