◆明治安田生命J1リーグ第29節 札幌4―0磐田(11日、札幌ドーム)
北海道コンサドーレ札幌は磐田に4―0で今季初の2連勝を飾った。前半10分、DF福森晃斗(29)が自身2季ぶりの直接FK弾で口火を切ると同21分にMFガブリエルシャビエル(29)が追加点。相手に退場者が出て数的優位となった後半も51分にFW小柏剛(24)が決めるなど、今季無得点だった3人の活躍もあり快勝した。札幌ドーム4連戦の最後に勝ち点3を積み、12位から11位に浮上。勢いを持って次は敵地で首位・横浜M戦(18日)に挑む。
息を吹き返すゴールラッシュは札幌が誇る背番号5の左足から始まった。残留争い脱出へ落とせない磐田戦。前半10分にDF福森が右45度から振り抜いた美しい弾道はゴール右上に突き刺さった。リーグ2季ぶりの直接FK弾は貴重な先制点。「19年ルヴァン杯決勝のような蹴る前から入る感覚。苦しい状況でチームを助けられない自分に責任を感じていた。やっとモヤモヤが取れた」。今季、先発落ちも味わった男は、ベンチ前で歓喜の輪に飛び込んだ。
福森の復活劇に呼応するように、もがいてきた選手が次々と輝いた。前半21分は流れる連係からMFシャビエルが決め2―0。後半51分には左もも裏痛から復帰のFW小柏もダメを押した。苦しんだ今季のチームを象徴するように2人は度重なる負傷離脱も味わった。待望のリーグ初得点を第2子妊娠中の愛妻に届けたシャビエルは「非常にうれしい」。ルーキーで7得点した昨季以来の一発となった小柏も「期待に応えられてない自分にもどかしさを感じていた。試合後のコールが幸せだった」と表情を緩めた。
開幕前にACL出場(3位以内)を掲げたチームにとって残留を争う現状は満足できるものではない。それでもJ1で戦う姿を届け続けることが未来につながるという思いは揺るがない。劇的逆転のC大阪戦(2日、2〇1)の翌日。勝利に感激するサポーターの映像をミハイロ・ペトロヴィッチ監督(64)、選手は共に見た。「結果でこれだけの喜びや幸せを届けられる。サッカー選手はそういう職業なんだ」。プロの誇りを再共有し臨んだ一戦で昨季開幕節(5〇1、対横浜FC)以来の本拠4発と大きな勝利を届けた。
今季初連勝で弾みを付け、次は横浜Mに挑む。福森は「今日みたいに走り、戦って。最後に皆で喜んで終われるように」と決意を込めた。ラスト6戦でより多くの歓喜を届けにいく。(川上 大志)
◇札幌の交代選手 ▽後1分 興梠→FW金 ▽同30分 福森→MF深井 ▽同41分 菅→MFスパチョーク、ガブリエルシャビエル→FW小柏、駒井→MF荒野
◆協定締結 株式会社コンサドーレおよび一般社団法人コンサドーレ北海道スポーツクラブは11日、ブラインドサッカーチーム「ナマーラ北海道」を運営するNPO法人セカンドサポートとの事業連携に関する協定締結を発表。障害者スポーツ普及などに相互に取り組んでいく。