【番記者の視点】先発7人入れ替えでドローの鹿島 岩政大樹監督の信念を見た

スポーツ報知

◆明治安田生命J1リーグ▽第29節 京都1―1鹿島(10日・サンガスタジアム)

 現役を引退して間もない頃、当時評論家だった岩政大樹監督から「監督の資質として一番大事なのは想像力」と聞いたことがある。布陣を含めた相手との兼ね合い、選手のコンディション、組み合わせ。練習からエビデンスを得られるものの、試合は別物だ。どのような組み合わせで、いかに戦うかは監督の頭が起点になる。そういう意味で、先発7人を入れ替えた京都戦はいつもより想像力が試された。

 腰の治療で、リーグ戦では約5か月ぶりの先発復帰となったMF荒木遼太郎。来日初先発のFWエレケに、今季初先発の小田逸稀が並び、DFブエノも約4か月ぶりの先発だった。攻守のスイッチ役の鈴木優磨はベンチスタート。天皇杯神戸戦から中2日で、暑い京都で戦う。フレッシュさに重点を置いた起用だったが、前線にボールが落ち着く場所がなく、前半20分に先制点を献上した。

 ただ、岩政監督は「ある程度、ゲームはプラン通り進んだ試合だったと思います」と言った。京都はこの試合前まで今季29失点中、後半に20失点を喫している。プレスを身上とするサッカーは体力との戦いで、後半にきっと仕掛けどころが来る。そんな想像が働いたゆえの0―1折り返しは「プラン通り」だったのだろう。あとは後半に勝ち切れるか。実際に押し込んだが、MFディエゴピトゥカの1点にとどまり、笛を聞いた。

 岩政監督が繰り返した「勝ち切りたかった」というのは、狙いが正しかった時に出てくる言葉だと感じる。これから順位にシビアになる終盤戦。準決勝にコマを進めた天皇杯も、重い試合になる。今の布陣、サッカーで誰を起用でき、できないかの材料は得られた。リーグ戦4試合未勝利は想像内として受け入れにくいが、想像力を補うものはあったのではないか。

 「坪井コーチともしゃべっていることで、欧州の監督さんたち、グアルディオラはCLの一発勝負で新しいことをやります。欧州はみんなそう。シーズン頭だから新しいことにトライして、シーズンの終わりには無難に戦うみたいなものは日本の常識で、終盤であってもチームは進んでいかないとと思っている。その概念自体、古臭いなと思っていて、僕はどんどんやりにいくと割り切っている」(岩政監督)。

 岩政監督の信念が見えた京都戦だった。(鹿島担当・内田知宏)

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