【番記者の視点】「監督交代は考えてない」神戸は残り7試合を「何ブースト」で戦う?

スポーツ報知

◆明治安田生命J1リーグ 第29節 神戸 0―0 名古屋(10日・ノエビアスタジアム神戸)

 J2自動降格圏の17位に沈む神戸は、ホームで名古屋と痛恨のスコアレスドロー。公式戦4試合未勝利に終わった。

 試合後、スタジアムから帰ろうとする永井秀樹スポーツダイレクター(SD)を待っていた。聞きたかったのは、試合当日の朝、公式サイトに掲載された千布(ちふ)勇気社長による声明に関してだった。

 「ヴィッセルファミリーのみなさまへ」とのタイトルで始まった文章のなかで、千布社長は今季無冠に終わったことを謝罪。サポーターに改めて応援をお願いするとともに「シーズン終了まで吉田監督、選手スタッフと共に走り切り、必ずや残留をつかみ取ります」と、現体制でシーズン最後まで戦い抜くことを誓った。

 「続投宣言」について、強化部門のトップも思いは同じだった。勝利から遠ざかっているチーム状況が改善しない場合、監督交代は選択肢としてあるのかを尋ねると、永井SDは「いやいや、考えてないです」と否定した。

 流れを劇的に変えるための「監督解任ブースト」は、今季も各クラブで何度も発動された。神戸も6月末、4月に就任したばかりのロティーナ前監督との契約を解除。吉田孝行監督が通算3度目となる指揮官に就くと、初陣からリーグ戦3連勝を果たした。結果論ではあるが、その時の勝ち点9がなければJ1残留は絶望的だったとみている。

 クラブはもう“劇薬”は使わない方針を示しているが、残り7試合で残留圏の15位G大阪との勝ち点差は4。今季は下位争いも混戦とあって、残留への道のりは厳しい。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタやFW大迫勇也ら負傷者が多い攻撃陣は、公式戦3試合連続ノーゴールと得点力不足に苦しんでいることも不安要素となっている。

 監督交代に代わる起爆剤として考えていたのが社長の声明だったかもしれないが、ホーム3連戦の初戦でつまづいたことは誤算だっただろう。試合後、一部サポーターが選手にブーイングを浴びせるなか、メンバー外だった主将のイニエスタがゴール裏に出向き、再度、団結を呼びかける場面もあった。

 世界的スターによる異例の対応はファン、サポーターに響いただろうか。司令塔の訴えが応援する人々の心を動かし、チームを後押しする新たな「ブースト」となったかは、中3日で迎えるFC東京戦(14日・ノエスタ)で証明されるはずだ。(種村 亮)

サッカー

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請
×