元白鵬の宮城野親方、スポーツ報知専属評論家に就任 さっそく11日初日の秋場所の展望を語る

元横綱・白鵬の宮城野親方
元横綱・白鵬の宮城野親方

 昨年9月に引退した大相撲の元横綱・白鵬の宮城野親方(37)がこのほど、スポーツ報知専属評論家に就任した。史上最多45回の優勝を誇る“最強横綱”は初仕事として、11日に初日を迎える秋場所(両国国技館)の展望を語った。国技館の隣に東京本社を置くスポーツ報知では秋場所の15日間、豊富な経験と鋭い観察眼を持つ宮城野親方と、元大関・琴風の尾車親方による豪華ダブル評論で熱戦をお伝えします。

 このたびスポーツ報知の評論家に就任しました宮城野翔です。昨年9月に引退し、親方業の勉強と共に、改めて相撲の魅力を知る日々を過ごしています。現役時代は自分の取組のことで精いっぱいでしたが、今は花道などで取組を見ることができ、気づくことも多いです。現役時代は分からなかった、力士たちが取組で発する「音」の迫力には特に驚きます。いい相撲を見ると手に汗握るし、気合も入る。ファンの皆さんと一緒ですね(笑い)。

 だからこそ、小さい子供からお年寄りまでが読んで分かりやすく、なるほどと思う解説をお届けしたいです。私は入門した15歳の頃、62キロしかありませんでした。力もなく、自分十分の体勢になっても、相手にとっては十二分。前に出ることもできませんでした。そこでまず、小さい力士のビデオを見て、取り口を学びました。次に、何が必要かと考えた時に身につけたのが、取られたまわしを切って自分有利の体勢をつくるなど技術の部分でした。技術を高め、勝つ確率を高める。相撲は力も重要ですが、それだけではありません。舞台には華やかな部分だけではなく、裏側にも物語があります。読者の皆さんには、勝負の裏にあるポイントを分かりやすく伝えられたらと思います。

 さて、秋場所は11日に初日を迎えます。注目は7月の名古屋場所優勝の逸ノ城。先場所は体がひとまわり大きく見え、張りもありました。そして、本人は無意識かもしれませんが、左上手の取り方が光っていました。大きい人が相手の時は、下から手が出ていた。まわしを取る時は(相手の)ヘソの下を目指し、小指から入れて取るのが理想で、まわしをしっかりつかめ、強く引きつけることができます。逆にスピードがあり、動き回る小さい相手には、上背を生かして引っ張り込み、上から上手を取り、動きを封じていました。相手が研究してくる今場所。2場所連続優勝なら、上手の取り方は偶然ではなく、本物だったということで、間違いなく、大関に近づくでしょう。

 照ノ富士は、やはりけがが気になります。私も膝のけがを経験しましたが、使うと痛みが出る。そこで不安のある下半身の動きをカバーしようと、上半身の力に頼ってしまい、土俵際でもろさが出やすくなります。この土俵際の取りこぼしさえなければ、もちろん優勝本命は横綱でしょう。

 続くのは大関・正代と見ます。好調時の圧力は半端なく、私も現役時代、立ち合いで怖さを覚えました。先場所後半(1勝4敗で迎えた6日目から9勝1敗)の感覚、流れが保てていたら十分に対抗馬になります。勢いを感じるのは琴ノ若と豊昇龍。琴ノ若は本来、四つ相撲なのに前に出る圧力が素晴らしく、気持ちの面では豊昇龍を上回る関取はいません。気迫で取るタイプで乗ってくると楽しみです。

 私自身は宮城野部屋を継承し、師匠になって初めての場所です。ひとつ屋根の下での生活が始まって、弟子たちへの親心が増し、楽しみです。ぜひ、宮城野部屋だけではなく、コロナ下で頑張る力士たちへの応援をよろしくお願いします。

 ◆宮城野親方のスポーツ報知での評論活動 秋場所を手始めに、本場所15日間の取組解説や優勝争いの行方、場所後の総括など幅広く語り、紙面とニュースサイト(hochi.news)に掲載していく。

 ◆宮城野 翔(みやぎの・しょう)本名・白鵬翔。第69代横綱・白鵬。1985年3月11日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。37歳。2001年春、宮城野部屋から初土俵。04年初、新十両。同年夏、新入幕。07年夏場所後に横綱昇進。10年に史上2位タイの63連勝。同年春から11年技量審査場所(八百長問題による夏場所の代替開催)にかけ、史上最多タイの7連覇。19年9月に日本国籍を取得。昨年秋場所後に引退。得意は右四つ、寄り。現役時代は192センチ、155キロ。

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