今年から創設された女子硬式野球の東北リーグ後期が10日に開幕する。8月の高校女子ユース大会で東北勢最高の準優勝に輝いた花巻東(岩手)は、主将の武藤咲夢(さくむ)内野手と関口瑞生(みずき)投手(ともに2年)の幼なじみコンビがレベルアップを誓った。
2020年4月に13人の部員でスタートした花巻東は、わずか2年半で全国舞台の決勝に進んだ。現在の部員は61人まで増え、東北リーグでは3チームに分かれて参加することで多くの実戦経験を積んでいる。
ユース大会は不戦勝の2試合を除く3勝全てがサヨナラと、1試合ごとに成長してきた。神戸弘陵(兵庫)に0―5で敗れた決勝を含む全4試合に先発した関口は「今度は神戸に5―0で勝てるように、冬場には体幹を鍛えていきたい。コントロールを良くして緩急で抑えられるように」と誓った。
武藤は左手首骨折と右足首じん帯損傷の影響でユース大会での出場機会はなかったが、主将としてチームをまとめた。「(試合に出られず)悔しいところもあるけど、あきらめなければ勝てることを証明できました」
2人は群馬・みどり市出身で、保育園からの幼なじみ。ともに野球を続け、高校は「お互い行きたいところに行こう」と話していたが、偶然にも花巻東を選びチームメート生活が続くことになった。今春から始まったリーグ戦ではクラーク仙台に勝利するなど、武藤は「未熟さも感じたけど、いい経験ができました」と手応え。関口も「強打者を打ち取ることができて自信がつきました」と振り返った。
ユニホームは高校通算83発の佐々木麟太郎(2年)を擁する男子と同じ。麟太郎のプレーを見る機会もあり「スイングがすごく速くて、狙い球を振っている」(関口)「空振りや三振を恐れない」(武藤)と、大きな刺激を受けている。女子の3大大会は春の選抜、夏の選手権、秋のユース大会。夏の甲子園を制した仙台育英に続く、女子初の“白河の関越え”に向け努力を重ねていく。(岩崎敦)