今年から創設された女子硬式野球の東北リーグ後期が10日に開幕する。18年に創部したクラーク仙台(宮城)は来夏の選手権での日本一に向けた腕を磨く大会と位置づけ、工藤陽菜主将(2年)が攻守の要となってけん引する。
東北初の高校女子野球部として18年に創部したクラーク仙台。リーグ開幕までは、中学生男子のクラブチームなどとの練習試合がメインだったため、チームをけん引する工藤主将は「選手権など大きな大会に近い形で試合ができるので、試合感覚が磨かれる」と女子同士での公式戦の重要性を語る。
ユース大会では、夏の選手権大会準優勝の開志学園(新潟)に勝利するなど8強入りを果たした。4番・遊撃手をメインに出場し、攻守の要となった工藤は初戦で先制適時打を放つなど活躍。「リーグ戦がなかった昨年に比べて、今年の方が競り勝つ試合が多かったり、厳しい試合でも最後まで踏ん張れる感覚があった」と大舞台でも成長を実感した。
リーグ戦の収穫は大きく、普段の練習でもより試合に近い形式を求めてコーチ陣にゲームノックを申し出るなど意識も変化。「男子と女子は、球の速さや軌道も違う。実戦だとより本番に強くなるので、同じ東北にたくさんライバルができてうれしい」と同地区で同じ志を持つ仲間が増えたことに刺激を受ける日々だ。
新チームのテーマは「我夢者笑(がむしゃら)」。「夢に向かって、がむしゃらに突き進みながら、最後は笑顔で終わりたいという思いを込めた」。リーグ戦での経験を糧に、目指す先は春夏の全国大会日本一だ。リーグ戦の参加チームは新設校も多く「自分たちは先輩の方なので、充実した内容でしっかり勝ち切ることが目標」と意気込む。東北の女子高校野球界をリードしてきたクラーク仙台が、さらなるレベルアップを目指して研さんを積む。