◆JERAセ・リーグ 巨人2―4ヤクルト=延長11回=(30日・京セラドーム大阪)
今季最速の153キロが出ていたように、智之(菅野)の調子は良かったと思う。ただ3回、山田に2ランを許した1球は、それまで低めに決まっていたフォークが落ちずに真ん中付近に入った。フォークが落ちないで半速球のような形になってしまうと、ボールの回転が少ないこともあって打球が飛ぶんだ。
2死二塁、3番の山田に対してフルカウントになった。「山田の調子は良くない」、「絶好調の村上に回したくない」という中で、タイミングさえずらせれば―というフォークがスッと入った。三振をとるつもりで勝負していれば、結果は違ったと思うよ。
実際に打席に立っていなくても次打者の村上に存在感があるから、山田への勝負球が甘く入った。村上が打たせたホームランと言えるよね。智之としてはあの場面、村上の存在を頭から消して勝負したかったなあ。
リリーフを含め、対村上は4打数1安打1四球で、今村が許した安打も不運な内野安打。同じ球種を続けず、内角を意識させながら内外に散らして、村上封じはできた。4番の中田が機能しているのに前後の3、5番が無安打だった巨人に対し、村上が止まっても3番の山田が仕事をしたヤクルト。この日の違いはここだろうね。(スポーツ報知評論家・宮本和知)