“伏線”トレンドとは対照的な「ちむどんどん」展開の分かりやすさはヒロインの性格が影響か

スポーツ報知
ヒロインの暢子を演じる黒島結菜

 女優の黒島結菜がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土曜・前8時)が連日話題になっている。SNS上ではドラマの内容を振り返る「#ちむどんどん反省会」のツイートが毎日約1万件も挙がり、中には厳しい意見も見受けられる。これまでの朝ドラとは違った盛り上がり方を見せるのは、一体何なぜなのか。

 最近、SNSと共に楽しめる“考察系ドラマ”が人気だ。最終回まで先が読めない展開で視聴者をくぎ付けにした、TBS系「DCU」「マイファミリー」などがヒットしたのは記憶に新しい。その展開の中でカギを握るのが「伏線」だ。随所に仕掛けられた謎を“回収”することで驚きや感動が増幅されていく。

 一方、「ちむどんどん」を見ていると、次から次へストーリーが展開し、要所で決着がついていく形だ。ヒロインの暢子(黒島)は料理人を目指して上京し、イタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ」で修行を積んでいたが、6月下旬からはラブストーリーに突入。幼なじみの和彦(宮沢氷魚)とその恋人・愛(飯豊まりえ)、暢子に思いを寄せる智(前田公輝)の恋と結婚が約3週にわたって描かれた。和彦と結ばれて一区切りつき、8月中旬からは暢子が“ひらめいた”独立の話題になった。

 場面展開は早く、分かりやすい。ただ、“伏線”の要素はほとんどなかった。強いて挙げるなら、レストランのオーナー・大城房子(原田美枝子)と県人会会長・平良三郎(片岡鶴太郎)や暢子の父・比嘉賢三(大森南朋)の関係ぐらいだろうか。そこが、今のドラマのトレンドとは対照的に見える。

 そのような展開になる背景には、自分の気持ちに真っすぐなヒロインの性格が影響していそうだ。例えば8月12日に放送された第90話では、自らの披露宴で提供した沖縄料理を美味しそうに食べる親戚らに感動して「うちは沖縄料理のお店を開きます!」と宣言。唐突に感じてしまう暢子の言動にファンは戸惑い、時に批判されてきた。

 ネット上では「イタリアンで修行したのになぜ沖縄料理?」との疑問が続出した。感情のまま動いてしまう純粋さゆえに、周りが見えなくなってしまう時があり、ファンの気持ちを代弁するように、料理長の二ツ橋(高嶋政伸)が「オーナーの気持ちも考えてください」と暢子を諭す場面もあった。

 点と点をつなぐのではなく、点で盛り上げるストーリー展開。乱闘シーンや、ニーニー(賢秀)の突飛な行動など派手な演出が多いのもうなずける。それらは“ちむどんどん名物”となり、ネット上で叩かれることもあるが、逆を言えばファンに浸透しているともいえる。

 放送は残り1か月。ファンもアンチも「ちむどんどん」できる結末が待っていると信じたい。(記者コラム・小林 静香)

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