第30回U18W杯(9月9~18日・米フロリダ)に参加する日本代表に、東北勢から今夏甲子園4強の聖光学院(福島)の2人が選ばれた。主将を務めた赤堀颯内野手(3年)は、貴重な経験を力に変えて優勝を目指すと闘志。安田淳平外野手(3年)は代表でも積極果敢にプレーすると力強く語った。また優勝した仙台育英(宮城)の古川翼投手(3年)も選出された。
驚きとやる気が同時に、胸中に湧き上がった。仙台育英との夏の甲子園準決勝後、U18代表選出を伝えられた聖光学院・赤堀は「そういう感覚を持って戦っていなかったので、マジか、と思ったけど、すぐによっしゃ、と思いました」。日の丸をつけることには「(代表は)一度はなってみたかった。注目される立場だけどチームと変わらず、一挙手一投足に責任を持ってやりたい」と話した。
夏の甲子園ではリードオフマンとして、春夏通じて初の4強入りに貢献。2回戦から準決勝までは第1打席に出塁し、その後ホームを踏んだ。「今までやってきたことで代表の力になれればいい」。大会はベンチ入りメンバー20人、10日間で9試合を戦うため、本職以外のポジションを守ることも考えられるが「中学のときは外野をやっていた。いろんなポジションを守れることもアピールしたい」と出場機会をつかむため必死だ。
今回のメンバーでは大阪桐蔭・松尾汐恩捕手(3年)と同郷で仲も良く、「打撃教えて、と言ってあります。(他の仲間にも)技術的なこと、高いレベルのことを聞いてみたい」と意欲をみせた。大会に向けて「こんな経験はあまりできないと思う。楽しみしかない」と語った赤堀。目標としていた日本一には届かなかったが、今度は新たな仲間たちと世界一をつかみにいく。(有吉 広紀)
◆赤堀 颯(あかほり・はやと)2004年11月11日、京都・長岡京市生まれ。17歳。長法寺小1年時に長岡京サンダース野球を始める。長岡中では大阪・オール枚方ボーイズに所属。聖光学院では2年秋から主将を務めてベンチ入り。3年時に春夏連続甲子園出場。174センチ、74キロ。右投右打。家族は両親と聖光学院2年の弟・聖(あきら)。
代表でも変わらずフルスイングだ。「がつがつ積極的に振っていく、熱くやる姿勢を武器に代表でもプレーしていきたい」と、聖光学院・安田が力強く語った。甲子園では3回戦・敦賀気比戦で2ランを放ち、九州学院との準々決勝は4安打をマーク。準決勝まで進んだチームを持ち味の強打で引っ張った。打撃に加え、俊足強肩の守備面も評価されての選出だ。
金属から木製にバットが変わるが、「フルスイングの意識は変えず、よりシャープに、無駄のないスイングをしていければいい」。各校の主力級が集まるだけに「自分よりいい選手ばかり。技術だけじゃなく、普段はどうなのか、チームで何を言われているのかを聞いてみたい」と、この経験を生かして多くのことを吸収し、力に変えるつもりだ。
「国の代表として責任や自覚が求められると思うし、簡単には負けられない」と試合に向けて語った安田。チームでは中堅を守ったが、外野ならばどこでもOK。アグレッシブなプレーで勝利に貢献する。
◆安田 淳平(やすだ・じゅんぺい)2004年9月14日、東京・江戸川区生まれ。17歳。篠崎四小3年時に上篠崎ムスタングクラブで始める。篠崎中では江戸川中央リトルシニアに所属。聖光学院では2年秋からベンチ入り。3年時に春夏連続甲子園出場。176センチ、76キロ。右投左打。家族は両親と姉。
〇…東北勢初の優勝に輝いた仙台育英の左腕エース・古川も代表入りした。甲子園では準決勝、決勝こそ登板機会はなかったが、愛工大名電との準々決勝では球場の雰囲気が6点差を追う“相手寄り”のなか、6回から最後まで投げ抜いた。140キロを超える直球、スライダーやカットボールなど鋭い変化球を操り、投球術で打者を打ち取っていく。