三遊亭金翁さん死去 元祖テレビタレント 「お笑い三人組」 生涯現役貫いた芸歴81年「まさに大往生」

スポーツ報知
三遊亭金翁@鈴本演芸場

 NHKの「お笑い三人組」で大人気となった落語家・三遊亭金翁(さんゆうてい・きんおう、本名・松本龍典=まつもと・りゅうすけ)さんが27日午前1時33分、慢性心不全のため東京・新宿区の自宅で亡くなった。93歳だった。67年に4代目・金馬を襲名して活躍。芸歴81年を駆け抜けた。葬儀・告別式は近親者のみで執り行う。喪主は長男・松本理一郎(まつもと・りいちろう)さん。

 戦前に入門、昭和、平成、令和と時代を超えて活躍し続けた巨星・金翁さんが天国へと旅立った。

 27日、都内の自宅で就寝中に息を引き取った。最後の寄席出演は1月19日の新宿末広亭。最後の高座は2月20日、孫弟子・三遊亭金朝(46)の誘いで出演した千葉・成田の「成田駅前寄席」での「ねぎまの殿様」だった。

 取材に応じた次男の5代目・三遊亭金馬(59)によると今年に入り体調を崩すことがあったが、今月19日に自宅で大好物の麻布十番・あべちゃんのモツ煮込みやフライドチキンをさかなに親子で酒を酌み交わし芸談。「まさに大往生だと思います」と話した。

 元祖テレビタレントとして活躍した。太平洋戦争勃発前の1941年に12歳で入門。戦後は小金馬を名乗り腹話術や歌謡ショーの司会などで活躍。NHKのバラエティー番組「お笑い三人組」(55年ラジオでスタート。56年からテレビも)では動物物まねの3代目・江戸家猫八さん、講談師・一龍斎貞鳳さん(いずれも故人)らと出演し、全国区の人気を得た。腹話術する姿がNHKのテレビ試験放送で流されるなど、創生期を支え、昭和の芸能史を彩った。

 その後、師匠の3代目・金馬の「『三人組』は一生やるもんじゃない」との教えから落語に比重を置き、67年に4代目・金馬を襲名。名人と称された師匠の名跡を継ぐ重圧に苦しみながら稽古を重ね、味のある高座を披露し続けた。

 98年には心筋梗塞となり心臓にペースメーカーを入れ、18年には一時意識を失い緊急入院をするなど病と闘いながらも、懸命なリハビリで復帰。最近まで近所の散歩を欠かさずに行うなど、現役にこだわった。

 20年9月には次男(当時・金時)に「金馬」の名跡を譲り、自身は隠居名の「金翁」を名乗るダブル襲名披露を行った。昨年10月には上野・鈴本演芸場での「芸歴80周年記念の会」で、ブレイクのきっかけとなった腹話術人形の「ター坊」と“共演”。「本当に稼がせてもらった」と相好を崩し柔和な笑みを浮かべていた。

 生涯現役を貫いた金翁さんは、20年ほど前に、息子に襲名を打診していた。当時は襲名を固辞していた金馬は「父親は時代に愛された人でしょう。(ダブル襲名が実現して)ホッと安心したんでしょうか。『ご苦労さん』と言いたいです」と偉大な師匠である父親の存在を語った。ダブル襲名の会見を開いたのはちょうど2年前。肩の荷を下ろしたかのように、金翁さんは人生の幕を下ろした。

 ◆三遊亭 金翁 本名・松本龍典。1929年3月19日、東京生まれ。41年に3代目・三遊亭金馬に入門し「山遊亭金時」を名乗る。45年に二ツ目昇進し「小金馬」。58年に真打ち昇進。67年に4代目・金馬襲名。20年に金翁に。日本演芸家連合会長を務めるなど、国立演芸場の設立に尽力した。69、70年に日本テレビ系「笑点」の大喜利メンバーを務めた。

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