【箱根への道】東洋大、ダブルエースの松山和希&石田洸介が叶える世界の夢

スポーツ報知
蔵王坊平のクロカンコースで走り込む東洋大の石田(前列右)、松山(2列目右)ら東洋大の選手(カメラ・竹内 達朗)

 来年正月の箱根駅伝で王座奪回を目指す前回4位の東洋大は山形・上山市の蔵王坊平で、同3位の駒大は長野・信濃町の野尻湖周辺で恒例の夏合宿を敢行。それぞれ歴代の先輩たちの汗が染み込んだ地で、実りの秋への下地を作った。東洋大は世界陸上視察を兼ねた米オレゴン合宿を経験した松山和希(3年)と石田洸介(2年)が精力的にチームをリード。駒大はオレゴン世界陸上1万メートルに出場したエースの田沢廉(4年)が合流し、チームの士気が上がった。王者・青学大に追いつき、追い越すため、駅伝巧者の両校は充実の夏を過ごしている。

 東日本で初めて常設されたクロスカントリーコースなど、環境が整った蔵王坊平。東洋大は30年以上も前から続く夏合宿の練習拠点へ今年もやって来た。「コロナの影響でチーム練習が不足していた一昨年と昨年に比べると、今年は練習が積めています」と酒井俊幸監督(46)は手応えを明かす。

 前回の箱根駅伝は4位。9年ぶりの王座奪回へのキーマンは松山と石田だ。

 松山は1年時に区間4位、2年時は区間5位といずれも「花の2区」で好走した。「2区は譲れません。今度は勝ちきりたい」と、きっぱり話す。存在感は抜群だ。トラック練習では常に前から2番目を走り、順番でペースリーダーを務める選手を叱咤(しった)激励。「1、2年時よりも良い練習ができています」と頼もしく話す。

 エースとして確固たる実績を持つ松山に加え、ダブルエースとして期待されるのが石田だ。新人だった昨季、出雲駅伝5区、全日本大学駅伝4区で区間賞を獲得したが、箱根では出番なし。「昨年は夏合宿で走り込みができませんでした。それが箱根駅伝欠場という結果につながったと思います」と振り返る。昨季は故障が多かったが、今季は7月以降、順調だ。「今年の夏合宿では今までにないほど走っています。チーム練習の消化率はほぼ100%です」と自信を漂わせる。

 2人は7月5日から約2週間、米オレゴンで特別合宿を行った。ナイキ本社のトラックなどで練習を行いながら、世界陸上も会場で観戦した。「将来、この場で走りたい」。松山、石田は同じ思いを明かした。

 その世界陸上では東洋大出身の池田向希(24)=旭化成=が男子20キロ競歩で、川野将虎(23)=旭化成=が男子35キロ競歩で銀メダルを獲得した。両メダリストを指導する酒井監督の妻・瑞穂コーチ(45)も夏合宿に一部同行している。競歩の動き作りを参考にした東洋大ならではの練習メニューも精力的に行っている。

 「今季のチーム目標は出雲駅伝3位以内、全日本大学駅伝と箱根駅伝は優勝です」と松山は力強く話す。大学駅伝界には「夏を制する者が箱根を制する」という格言がある。野望の実現に向けて、東洋大は22年の夏を全力で走っている。(竹内 達朗)

 ◆蔵王坊平 山形・上山市の標高約1000メートルのエリアに1周3キロのクロスカントリーコース、400メートルの全天候型トラック、体育館、温泉施設、宿泊施設が整備されている。準高地トレーニングができるため、岐阜県の飛弾御嶽高原高地トレーニングエリアとともにスポーツ庁からナショナルトレーニングセンターの指定を受けている。東洋大以外にも中大、東京国際大などが夏合宿を行う。

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