麻雀のプロリーグ「Mリーグ」を運営するMリーグ機構は23日、「夏休み小学生麻雀大会」を都内で初めて開催した。応募60人から抽選で選ばれた1年生から6年生の20人(男子12人、女子8人)が参加。Mリーグで活躍する茅森早香、東城りお(ともにセガサミーフェニックス)、日向藍子(渋谷ABEMAS)、堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)、村上淳(赤坂ドリブンズ)の5選手も駆けつけ、個別にレッスンするなど大会を盛り上げた。
小さな腕をぐっと伸ばし、対面の山の牌をつかむ。「ツモ!」会場に元気な声が響いた。5台の全自動麻雀卓が用意された場内で、小学生たちが“頭脳スポーツ”で技を競った。「みんな上手いね!」ちびっ子たちの大人顔負けの打ち回しに、Mリーガーたちも口々に賞賛の声を上げた。
「幼稚園のころにおじいちゃんに麻雀を教わった」という村上プロは「僕も小学2、3年生で点数計算はできてました」と謎の張り合いを見せつつも、「小学4年生の時に学校の“お楽しみ会”で麻雀牌とマットをクラスに持ち込んだら、担任の先生にひどく怒られた。それが今ではこうやって、小学生でも普通に麻雀ができる。いい時代になりました」と笑顔で話した。
全自動卓が初めてという児童も多かったが、卓上にせり上がる自山を相手に取りやすいように前に出すなど、基本の所作も自然に行う姿にMリーガーたちはまた感嘆。日向プロは「みんな麻雀を理解していて、すごいと思いました。(高等戦術の)ハイテイずらしなんかをする子もいて、怖いくらいでしたね。将来のライバルになるかも!」と戦々恐々。東城プロは「まさに英才教育。この中に私より上手い人もいるかも」とタジタジだ。
レッスンのあとはちびっ子同士で東風戦3試合の真剣勝負。Mリーガーたちは卓の横で点数計算の補助を行いながら、闘牌を見守った。堀プロは「僕は小学生時代にテレビゲームの麻雀から入って、人と打てるようになったのは中学に入ってから。今の子は環境がいいですね。麻雀の未来がいい方向に向かっていると感じました」と感動した様子。“ママさん雀士”の茅森プロは「女の子もたくさん来てくれてよかった。とにかくかわいくて。私にも4歳の長男がいるんですが、将来こんなふうに麻雀を打ってくれたらいいな、と思いながら見ていました」と目を細めた。
優勝したのは5年生の高田壮祐くん(11)。「リーチ・ピンフ・タンヤオ・三色・ドラ1・赤3」の親倍満を仕止めるなど合計2度の倍満をあがり、3試合連続のトップを決めた。「いつもはパパに負けてばかりだけど、今日はツモがとても良かった」とガッツポーズすると「好きなMリーガーは(セガサミーフェニックスの)近藤誠一選手。同じサウスポーで、牌の切り方がカッコイイ。僕も将来はMリーガーになってみたいです!」と高らかに夢を語った。
最後はちびっ子雀士20人が壇上に集合し、Mリーガーたちと記念撮影。勝った子も負けた子も、小学生同士で麻雀が打てる貴重な機会を体験し、満面の笑顔で会場を後にしていた。(平柳 洋希)