◆パ・リーグ ロッテ4―5西武(23日・ZOZOマリン)
意表をつかれた。西武は初回、無死一、二塁の好機をつかんだ。打者は森友哉。そのミート力をもってすれば、ヒッティングから先制点を奪い、さらに好機を広げられる。間違いなく強攻策と思ったが、構えはバント。初球を捕手前に転がし、走者を進めた。今季292打席目にして初、プロ9年目で5本目の犠打は自己判断によるものだった。
「一、二塁になった時点でバントしようと。ここ最近、併殺も多いですし、何とか先制点が欲しい場面だったので。迷いはなかったですね」と森は説明する。その言葉通り、ここまでの7試合で3併殺打。石川には今季、シンカーなど沈む変化球でかわされて8打数無安打に抑えられていた。石川も森が打ってくるとみたのだろう。初球にシンカーを選んだが、バントと決めていた森はしっかりと転がした。2死後、呉念庭が中前へ適時打を放ち2点を先制。「得点につながったのでよかったです」と息をついた。
2位・ソフトバンクも勝ち、0・5差で首位の座を堅持。「大きな1勝」と辻監督は声を強めた。残り28試合。森をはじめ、選手が勝つためには何をすべきかということを分かっているのが西武の強さだ。(西武担当・秋本 正己)