女優の高岡早紀が俳優・溝端淳平と挑む二人芝居「毛皮のヴィーナス」(9月4日まで)が、20日に東京・三軒茶屋のシアタートラムで初日を迎えた。
同舞台は「マゾヒズム」の語源になったオーストリアの小説家L・ザッヘル=マゾッホの小説から発想を得て、米劇作家デヴィッド・アイブズが舞台用に戯曲を執筆。10年にオフ・ブロードウェーで初演された。
文学座所属の五戸真理枝氏が演出を担当。オーディションを受けに来た女優ヴァンダと演出家トーマス、さらに、戯曲の登場人物も交錯する二重構造を駆使し、人間が持つ性的欲望をスリリングに描き出す。
ヴァンダ役の高岡は膨大なセリフ量をこなす。「緊張感のある時世ながら、無事に初日を迎えられたことにまずホッとしています」と安ど。「二人芝居で、充実した稽古を重ねてきました。大人数の舞台とは違った、二人の絆・呼吸が試される舞台。淳平君とは共演を重ねてきましたが、彼には『何があっても絶対に大変なことにはならない』という安心感がありますし、一対一で向き合ってきて、よりその信頼感が増しました」とコメントした。
「精神的にも体力的にも大変な作品ですが、とても楽しいです」と充実感。「積み重なっている課題をこなし、淳平君と、より素晴らしい『毛皮のヴィーナス』の世界を、お客様にお届けできるよう切磋琢磨(せっさたくま)していきたい。何かすごいものを、目撃していただけると思います」と自信をみせた。