自動車レースのスーパーフォーミュラ第7戦の予選と決勝が20日、栃木モビリティリゾートもてぎ(1周4・801キロ)で行われた。午前の予選は過去、3度の総合優勝を誇る山本尚貴(34)=TCSナカジマ・レーシング=が今季初、通算13回目のポールポジションを獲得した。
決勝はレース直前に雨が降り、どのドライバーにも不利な条件となったが、こういう時こそ山本の経験と技術が生きた。抜群の安定感で2位のサッシャ・フェネストラズ(コンドー・レーシング)に5秒337差を付けて今季初優勝を飾った。
山本の優勝は2020年の第5戦(鈴鹿)以来、通算9勝目。地元・宇都宮市出身の山本にとってはホームコースで初ポール、初優勝と二重の喜びとなった。
山本が元F1ドライバーの中嶋悟監督率いるナカジマ・レーシングに加入したのは昨年の開幕前のこと。周囲は3度の総合優勝ドライバーと名伯楽の“合体”に期待を寄せたが、結果は散々だった。昨シーズンは開幕戦の6位が最高、今シーズンも1度も表彰台に上がることはなかった。
「1年半も表彰台に上がれなかったけど、諦めず腐らず焦らず我慢してきて本当に良かった。中嶋監督には本当に迷惑をかけてしまって、恩返しが一つできました」と山本。中嶋監督も「本当に久しぶり(の勝利)。うれしいに決まっているでしょう。寄り道をしたから今日がある。過去は忘れました」と満面の笑みを見せていた。