ファッションビル「なんばマルイ」で昆虫食イベント 「世間の見る目が変わってきた」近畿大“昆Tuber”の挑戦

大阪のなんばマルイで昆虫食の販売をする近大・清水和輝さん(※撮影時のみマスクを外しています)
大阪のなんばマルイで昆虫食の販売をする近大・清水和輝さん(※撮影時のみマスクを外しています)
清水さんらが販売する昆虫を使ったコーヒーなど
清水さんらが販売する昆虫を使ったコーヒーなど

 ユーチューバ-「昆Tuberかずき」として、昆虫食を広める活動をしている近畿大農学研究科の清水和輝さんらが、18日から大阪・なんばマルイで始まった「サステナブルDays」で昆虫食のブースを出店している。

 「近大生かずきの昆虫食博覧会」と題し、話題性の高いブースは“一等地”にあった。大阪メトロ・御堂筋線なんば駅を出て目の前にある地下出入り口からすぐのスペース。人気のファッションビルとあって客層は20代女性が中心で、清水さんや学生の声かけに反応する女性がいれば、チラ見で素通りする人も…。サソリなど食用昆虫が入った“ガチャポン”に挑む子供もいた。

 「今回、出店の提案をいただいたのも、昆虫食に対する世間の見る目が変わってきたのかと思います。商品が売れることで、さらに需要の喚起になれば」と清水さん。今春、近畿大のさまざまな学生を紹介する番組のコーナーで「3秒ぐらい写っただけなんです」(清水さん)というが、マルイ側から「サステナブル」をテーマにした今回のイベントへの出店オファーがあったという。

昆虫を使ったお菓子など
昆虫を使ったお菓子など

 まさに昆虫食と言える、揚げたコオロギのほか、コオロギパウダーを混ぜ込んだ「コオロギコーヒー」「コオロギ餃子」や「タガメサイダー」、女性を意識して今回用に開発した「パウンドケーキ」など10種類以上の商品を用意した。

 清水さんは高校時代に昆虫食を知ってから、全国各地で企画展示や講座などを行い、積極的に発信。元環境大臣の小泉進次郎議員とインスタライブを行ったり、昆虫好きで知られるタレントの井上咲楽と動画でコラボも行った。今春からは大学公認の学生団体「NEXT GENERATION FOOD」を発足させた。

 「(2年ほど前に)活動を始めた初期段階より『寛容』になってきたと感じます」と清水さんが言うように、昆虫食への視線は変わりつつある。育成しやすく、タンパク質が多く含まれるコオロギのパウダーを使った菓子類が各社から発売され、「コオロギレシピグランプリ」には大手食品メーカーがスポンサーに名を連ねている。

 9月には次の一手に動き出す。「シルクパン」だ。糸を取り出すために繭を煮た際に出る「セリシン」などの成分が美容効果があることが分かった。その水分を利用してパンを作る。「昆虫のパウダーを混ぜたというだけでなく、『食べる意味がある』というふうになっていけばいいと思います」と、清水さんはブームで終わらないための未来像を語った。

 今回の出店は23日まで。マルイの営業時間は午前11時から午後8時。

大阪のなんばマルイで昆虫食の販売をする近大・清水和輝さん(※撮影時のみマスクを外しています)
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