【明日の金ロー】公開時に2本立てだったからこそ生まれたスタジオジブリの傑作「となりのトトロ」

スポーツ報知
ポスターではサツキとメイが”合体”した少女が描かれていた「となりのトトロ」のワンシーン(C)1988 Studio Ghibli

 19日の金曜ロードショー(後9時)は「夏はジブリ」シリーズの第2弾として「となりのトトロ」(1988年)を放送。老若男女関係なく楽しめる同作は、スタジオジブリの”代名詞”として公開から30年以上がたった現在も愛され続けている。

 舞台は昭和30年代。サツキとメイの姉妹は、病気で入院しているお母さんがもうすぐ退院するため、お父さんと空気のきれいな郊外に引っ越して来た。おんぼろ屋敷に到着したのもつかの間、姉妹は小さくて真っ黒な生き物を目にする。さらに、近くの森の中に迷い込んだメイは、不思議な生き物・トトロと出会った―。

 「ナウシカ」「ラピュタ」とSF活劇を製作した宮崎駿監督が選んだのは「古きよき日本」。これまでの2作と全く異なる題材としたことについて、宮崎監督は企画書の中で「目指すものは、幸せな心温まる映画」と明言。同時に「日本に住み、まぎれもなく日本人である自分たちが、出来るだけ日本を避けてアニメーションを作り続けている」とした上で「なぜ日本を舞台にして楽しいすてきな映画を作ろうとしないのか」という問いに自ら答えた作品が、本作だとしている。

 そんな”純日本作品”にも関わらず、記者が不思議に思ったのは「トトロ」の名前の由来だった。作品の中では、メイがサツキにトトロに会ったことを話すと、サツキは「それって絵本に出てたトロルのこと?」と聞き返し、メイはうなずく。「トロル」は北欧の伝説に出てくる巨人のこと。「日本じゃないよ!」と突っ込みたいところだが、ちゃんとした「答え」があった。

 鈴木敏夫プロデューサーによると、「トトロ」の名前の由来は「所沢のとなりのおばけ」。所沢は、宮崎監督が住む街であり、本作の舞台の一つでもある。お母さんが入院している「七国山」の地名は、まさに「所沢のとなり」の東村山市にある「八国山緑地」に由来している。

 ちなみに、ファンには良く知られていることだが、本作の有名なシーンであるバス停でサツキとメイがトトロと並んでバスを待つシーンはポスターにも描かれているが、ポスターには女の子が一人しか描かれおらず、サツキとメイの2人の特徴を”合体”させた外見となっている。これは、宮崎監督がポスターを製作しようとした時に2人だとうまく描けなかったことと、元々のアイデアでは登場する女の子は1人だったためと言われている。

 本作は88年の公開時は、高畑勲監督の「火垂るの墓」と同時上映。そのため、当初は60分の中編を予定していた。だが、「火垂るの墓」が88分の作品となったため、宮崎監督が”ライバル心”を燃やし、上映時間を延ばすことを決意。その時に「女の子を2人にすれば、話の幅が広がる」と考えたという。いわば、2本立てで公開されたことにより、サツキとメイというキャラクターが誕生し、姉妹が織りなす物語が完成したのだった。(高柳 哲人)

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